【BOOK】職場に社会にはびこる「ジジイの壁」の正体
『他人をバカにしたがる男たち』【著者】河合薫
駅やコンビニで暴言を吐く、上だけを見て仕事する、反論してこない人にだけ高圧的、相手の肩書き・学歴で態度が別人。社会生活を送っていたら必ず遭遇する厄介な「ジジイ」。それは単に年齢や性格だけではなく、ある一定の条件の中で生息する困った生き物である。同書では、女性の中でも進む、現代人の「ジジイ化」に焦点を当て、健康社会学の視点から、日本にはびこる「ジジイ」と「粘土層」の生態を分析。中年期の会社員を襲うキャリアの危機や“老害”の正体について、科学的なエビデンスをもとに紹介している。健康社会学を専門とする著者が、海外も含む膨大なデータや文献、さらに自身のインタビューを、分かりやすく分析。裏付けと説得力のある内容に、ただの厄介者だと思っていた「ジジイ」の本質が明らかに。他人をバカにするジジイたちに欠けているものとは?
著者は「SOC=Sense of Coherence」、首尾一貫感覚だと語る。どうすればSOCを高めて、他人をバカにして会社にしがみつく「ジジイ」にならずにすむのか。また、SOCの中に潜む「フェイクSOC」を見抜く方法。そして、高いSOCを持ったオッサンへのエールが書かれている。やっかいなジジイと、やる気SOCにあふれたオッサン。この国の未来を託したいのはどちらか? 少なくとも、愛されるのはオッサンのほうだ。70歳になっても、現役社会で男女が輝くヒントがここにある。
【定価】本体850円(税別)【発行】日本経済新聞出版社