10周年を迎えるEXILEが建てた『願いの塔』
COVER SPECIAL INTERVIEW
EXILEの躍進が止まらない。歌とダンスを組み合わせたパフォーマンスを武器にセンセーショナルなデビューを飾ると、着実にキャリアと実績を重ね、今では誰もが認める国民的グループに成長、確固たる地位を築いている。そんな彼らが今年、10周年イヤーを迎えた。今年元旦に発表した5大プロジェクトのなかで、トップに掲げたニューアルバム『願いの塔』のリリースが9日に迫った。この作品について、今回特別にATSUSHIにアルバムに込める想いをきいてみた。
写真上段左から・HIRO、MATSU、USA、MAKIDAI、ATSUSHI、AKIRA、TAKAHIRO 写真下段左から・KENCHI、KEIJI、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、NAOKI
『願いの塔』は、9月にデビュー10周年を迎えるEXILEの8枚目のオリジナルアルバム。日本語タイトルのアルバムは『愛すべき未来へ』に続き2枚目だ。14人になってからのEXILEは、“わかりやすくメッセージを伝える”を重視しているということでもあるのかもしれない。“願い”をテーマにしたニューアルバムも、軽やかで爽やかな印象と共に何か使命感のようなものを感じさせる。
「『forever love』を作曲したアーノ・ルーカスのデモテープを聴いて一気に『願い』の歌詞が出てきたり、少しでもハイチ大地震の復興を支援したい、とみんなで話したあとに、家でピアノを弾いていたら『One Wish』が生まれてきたり、ということが最初にあって。その後、秋元康さんが書いてくださった『掌の砂』の歌詞の中に“僕の願いの砂”というフレーズを見つけた時に、“これは偶然じゃないよね”と。そのころから“願い”が僕らにとって大事なテーマになるかもしれない、と意識し始めました」
14曲中新曲は3曲。うち2曲がATSUSHIの作詞だ。R&Bテイストが濃厚な艶っぽいラブソング『Orion』と“もし未来に虹がかかるなら今は雨が降っているのだろう”というフレーズが心に残る『Miracle』。
「『Miracle』は飛行機に乗っていて感じたことがもとになっています。きれいに見えている空も、上空では気流が激しかったりして、遠くから眺めている時と実際にそこに身を置いた時とでは、違うことが見えたり感じられたりするんだな、と思ったんです。それから、夢や将来への希望を持てずに苦しんでいる人たちがこの曲を聴いて、毎日の生活の中に一瞬でいいから素晴らしい瞬間を見つけてほしい、そして何かを変えるチャンスをつかんでほしいという願いも、この曲には込めました」
初回限定盤には11曲入りのカバー集も。『Choo Choo TRAIN』などライブを盛り上げる定番曲の他に、各自思い入れのある曲をソロでカバー。ATSUSHIは、昨年秋のソロライブから2曲収録し、小田和正の『言葉にできない』を新録している。
「初めて聴いた時に“こんなに美しい曲があったんだ!”と衝撃を受けて以来、機会があれば必ず歌っていた曲です。HIROさんもすごく気に入っていて、“もっとたくさんの人に聴いてもらえるといいよね”と言ってくれてたんですよ。それがソロを始めるきっかけにもなった。本当に思い入れの強い曲です」
さらにNESMITHと、久保田利伸の名曲『LA・LA・LA LOVE SONG』をカバー。ATSUSHIとNESMITHが2人で歌うのは、“ASAYAN”以来。NESMITHがソロのカバーにこの曲を選んだと知った時に、ATSUSHIにはひらめくものがあったと言う。
「2人がライブでこの曲を歌っていて、お客さんがすごく盛り上がっている画が浮かんだんです。以前からHIROさんが“2人が一緒に歌っている姿を見たら、感動する人がたくさんいると思うよ”と言ってくれていたので、“これだ!”って。それで僕から提案しました。前回は『Missing』でしたけど、約10年ぶりにまた一緒に久保田さんの歌をうたえたことは、とても感慨深かったですね」
年末には2年ぶりのドームツアーも予定しているEXILE。“デビュ―10周年”をスプリングボードに、さらに大きく飛躍しようとしている。
「EXILEは今、ひとつの大きなブランドになりつつあって、一歩間違うと“音楽”ではなく“流行”を提供することになりかねない。そういう立場に自分たちがいることを、常に肝に銘じていきたいと思います」
この冷静な感覚が、彼らの真摯な活動を支えているのだと思う。
(取材・文/木村由理江)
「『forever love』を作曲したアーノ・ルーカスのデモテープを聴いて一気に『願い』の歌詞が出てきたり、少しでもハイチ大地震の復興を支援したい、とみんなで話したあとに、家でピアノを弾いていたら『One Wish』が生まれてきたり、ということが最初にあって。その後、秋元康さんが書いてくださった『掌の砂』の歌詞の中に“僕の願いの砂”というフレーズを見つけた時に、“これは偶然じゃないよね”と。そのころから“願い”が僕らにとって大事なテーマになるかもしれない、と意識し始めました」
14曲中新曲は3曲。うち2曲がATSUSHIの作詞だ。R&Bテイストが濃厚な艶っぽいラブソング『Orion』と“もし未来に虹がかかるなら今は雨が降っているのだろう”というフレーズが心に残る『Miracle』。
「『Miracle』は飛行機に乗っていて感じたことがもとになっています。きれいに見えている空も、上空では気流が激しかったりして、遠くから眺めている時と実際にそこに身を置いた時とでは、違うことが見えたり感じられたりするんだな、と思ったんです。それから、夢や将来への希望を持てずに苦しんでいる人たちがこの曲を聴いて、毎日の生活の中に一瞬でいいから素晴らしい瞬間を見つけてほしい、そして何かを変えるチャンスをつかんでほしいという願いも、この曲には込めました」
初回限定盤には11曲入りのカバー集も。『Choo Choo TRAIN』などライブを盛り上げる定番曲の他に、各自思い入れのある曲をソロでカバー。ATSUSHIは、昨年秋のソロライブから2曲収録し、小田和正の『言葉にできない』を新録している。
「初めて聴いた時に“こんなに美しい曲があったんだ!”と衝撃を受けて以来、機会があれば必ず歌っていた曲です。HIROさんもすごく気に入っていて、“もっとたくさんの人に聴いてもらえるといいよね”と言ってくれてたんですよ。それがソロを始めるきっかけにもなった。本当に思い入れの強い曲です」
さらにNESMITHと、久保田利伸の名曲『LA・LA・LA LOVE SONG』をカバー。ATSUSHIとNESMITHが2人で歌うのは、“ASAYAN”以来。NESMITHがソロのカバーにこの曲を選んだと知った時に、ATSUSHIにはひらめくものがあったと言う。
「2人がライブでこの曲を歌っていて、お客さんがすごく盛り上がっている画が浮かんだんです。以前からHIROさんが“2人が一緒に歌っている姿を見たら、感動する人がたくさんいると思うよ”と言ってくれていたので、“これだ!”って。それで僕から提案しました。前回は『Missing』でしたけど、約10年ぶりにまた一緒に久保田さんの歌をうたえたことは、とても感慨深かったですね」
年末には2年ぶりのドームツアーも予定しているEXILE。“デビュ―10周年”をスプリングボードに、さらに大きく飛躍しようとしている。
「EXILEは今、ひとつの大きなブランドになりつつあって、一歩間違うと“音楽”ではなく“流行”を提供することになりかねない。そういう立場に自分たちがいることを、常に肝に銘じていきたいと思います」
この冷静な感覚が、彼らの真摯な活動を支えているのだと思う。
(取材・文/木村由理江)
New Release 『願いの塔』
rhythm zoneより3月9日(水)発売。豪華初回限定盤[2CD 2DVD] 5980円。[CD DVD]盤3990円、CDのみ3059円。DVDにはシングルのビデオクリップとメイキング映像を収録。豪華初回限定盤は、ATSUSHI、TAKAHIRO、SHOKICHI、NESMITHがそれぞれがセレクトした楽曲をソロ、デュオ、トリオで歌ったCD「EXILE COVER」と、ドキュメント映画『EXILE PRIDE』のDVD付き。詳細は公式ウェブサイト(http://exile.jp/)で。
rhythm zoneより3月9日(水)発売。豪華初回限定盤[2CD 2DVD] 5980円。[CD DVD]盤3990円、CDのみ3059円。DVDにはシングルのビデオクリップとメイキング映像を収録。豪華初回限定盤は、ATSUSHI、TAKAHIRO、SHOKICHI、NESMITHがそれぞれがセレクトした楽曲をソロ、デュオ、トリオで歌ったCD「EXILE COVER」と、ドキュメント映画『EXILE PRIDE』のDVD付き。詳細は公式ウェブサイト(http://exile.jp/)で。