地方統一選 石原都知事圧勝 民主党惨敗
4月10日に投開票された第17回統一地方選挙の前半戦で、民主党が惨敗を喫した。事実上の与野党対決となった知事選は東京都、北海道、三重県の3カ所だったが全敗。なかでも三重県は岡田克也幹事長の地元とあってダメージは大きい。また道府県議選でも69議席減だった。
菅直人首相は12日には「厳しい結果で真摯に受け止めたい。後半戦が終わった段階で党の方で検証するのでそれを待ちたい」と退陣を否定。岡田氏も民主党代議士会で「結果が伴わなかったのは申し訳ない。執行部の力不足だ」とわびたが、進退には触れなかった。
菅政権はこれまでも、昨夏の参院選で大敗しても枝野幸男幹事長(当時)の辞任を拒むなど、誰も責任を取らないという事態が続いていたが、今回ばかりは首相ら党執行部も責任問題からは逃れられないだろう。
注目を集めた東京都知事選では現職で4選を目指した石原慎太郎氏が約261万票を集め、2位の元宮崎県知事・東国原英夫に約92万票の差をつけ圧勝した。飲食チェーン役員の渡辺美樹氏は約101万票を獲得。共産党推薦の小池氏は約62万票にとどまった。
石原氏は当選後の会見などで、東日本大震災の復興支援や福島第1原子力発電所の事故の対応で、民主党が掲げる「政治主導」が省庁の統制や政策決定に大幅な遅れを生んでいると指摘し、「(現政権は)無知で未熟な連中が集まって、役人を使わない。何をうぬぼれているのか」と痛烈に批判。
東国原氏は「震災の自粛ムードの中で思う存分に活動できなかった」と悔しさをにじませながらも「横綱級の政治家、石原さんの胸を借りるつもりで立候補した。東京がどういう自治体か勉強になったし、得たものは大きい」と語った。
また橋下徹大阪府知事率いる「大阪維新の会」が府議選で過半数を占め市議選でも第一党となった。