野田内閣が原発、たばこ税で早くも“閣内不一致”?
野田佳彦新首相は2日夕、新内閣を発足させたが、早くも“閣内不一致”の様相を見せ始めた。
鉢呂吉雄経済産業相は5日、東京電力福島第1原発事故を受けた今後の原子力政策について、「基本的に原発はゼロになる」と述べた。鉢呂氏は「新しく建設することは難しい」との認識を表明。さらに、寿命がきた原発は廃炉にするとの方針を示した。既存原発を建て直すことについても、「できないだろう」と述べた。電源開発の大間原発(青森県)など建設中の原発については、「建設を凍結している段階で、どう考えるかは今後十分検討していく」とし、差し止めの可能性も否定しなかった。
さらに廃炉の手続きについて「原発の寿命をどの程度と見るかで違う。専門家の皆さんに調査してもらうことが必要」と述べ、基準を策定する考えを示した。
野田氏も、就任会見で「寿命がきた原発は廃炉にし、新規は難しい」と述べていたが、原発ゼロには言及していない。
また小宮山洋子厚生労働相は5日の記者会見で、たばこの価格について、来年度以降、700円を一つの目安にたばこ税を増税する考えを示した。
会見では「日本は非常にたばこの価格が安い。世界平均は600円台だ」として、毎年100円ずつたばこ税を引き上げ、禁煙を促すべきだとの持論を展開。「たばこ事業法で財源を財務省が所管するのもおかしい。厚労省が持つ方向で協議したい」と述べた。
一方の首相は7月、東日本大震災の復興財源としてたばこ税増税が検討された際には「たばこ増税は税制を通じた『オヤジ狩り』みたい」と不快感を表明。安住淳財務相は6日の閣議後会見で小宮山氏の発言について「個人的な見解。ご高説は承るが、所管は私だ」と不快感を表明。「税という点でいうと、たばこだけを抜き出して議論するのはバランスを欠く」と否定的な見解を示した。