SBのRENAが神村破り女子最強に

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RENA(右)は気負う神村を冷静にさばき勝利をあげた(撮影・蔦野裕)

 キックボクシングの「RISE 85」(23日、水道橋・東京ドームシティホール)で開催された“地上最強の女子高生”キックボクシングの神村エリカとシュートボクシング(SB)の世界女王RENAによる「初代RISE QUEEN決定戦」でRENAが勝利を収め、女子最強の座に就いた。

 今年4月のSBの大会でRENAの相手のドタキャンに伴い急きょ組まれたエキシビションマッチで神村がダウンを奪い、圧倒。2人の因縁はここから始まった。対戦の機運が一気に盛り上がったが、RENAは6月に行われた高橋藍とのSB女王決定戦に敗れ「vs神村」は高橋の手に渡った。9月と11月に「神村vs高橋」の2連戦が発表されたのだが、高橋の負傷で流れ、振り出しに。神村はSBのGirls S-cupトーナメントに参戦し優勝。同大会にワンマッチで出場し、KO勝利で復活を遂げたRENAとの対戦が再び持ち上がった。

 現在売り出し中の神村と、これまで女子の立ち技格闘技を引っ張ってきながらも、2011年は絶不調のRENAとあって、戦前の下馬評では圧倒的に“神村有利”の空気が漂っていた。

 背水の陣ともいえるRENAは大阪から単身、SBの総本山ともいえるシーザージムで出稽古を敢行。この試合に備えた。

 試合は神村が前へ前へとプレッシャーをかけるものの、RENAは冷静にさばく。距離を詰めすぎクリンチが目立つ神村に2Rイエローカードが出される。激しい感情のぶつかり合いのなか、どうしても距離が縮まってしまう両者。3Rには両者にクリンチによるイエローカードが出され、これで神村は減点1。ブレイク際にもつれるなど不穏な空気を漂わせながら3Rが終了。ゴングと同時にともに手を上げ「私が取った」といわんばかりに観客にアピールする。しかし戦前から「圧倒的に有利」と言われ続けた神村に微妙なプレッシャーが働いたのか、以降も力みが抜けず、パンチにいつものキレが見られない。気がはやるあまり距離を詰めてしまう神村に対して、RENAは冷静に有効打を放ち着実にポイントを稼いでいく。5Rにはまたも互いにクリンチでレッドカード。ともに減点1。

 試合は判定となり46−45、47−46、48−46の3−0でRENAが勝利を収め、初代RISE QUEENに輝いた。

 RENAは試合後のマイクで「神村選手は本当に強い選手でそれに勝てて本当にうれしいです。私が女子最強です」と苦難続きだった2011年を締めくくった。

 またこの日は「RISE HEAVY WEIGHT TOURNAMENT 2011」が行われ、決勝で上原誠を破ったシング・心・ジャディブが優勝。DykiとKENJIで争われた第3代RISEバンタム級王者決定戦はKENJI が強烈な左ボディーフックでダウンを奪うと、なんとか立ち上がったDyki に続けて連打を浴びせ2度目のダウンを奪い1R1分35秒、KO勝利でベルトを獲得した。