BONNIE PINK インタビュー パワフルな新曲

女性を奮い立たせるニューシングル『冷たい雨』

シンガーソングライターのBONNIE PINKの新曲『冷たい雨』が話題を集めている。永作博美主演のドラマ『ダーティ・ママ!』(日本テレビ系)の主題歌でおなじみのこの曲は、女性を奮い立たせるパワフルなナンバー。この曲に込めた想いを聞いた。

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――『冷たい雨』の生まれた経緯について教えてください。

「きっかけは、『ダーティ・ママ!』の制作サイドからお話をいただいたことですね。女性を応援するような曲をという意向がありました。制作は、ドラマの内容を聞かせていただいたり台本をいただいて読んだりして、パワーがわいてくるようなのがいいなって進めていったんですが、迷いに迷っちゃったんですよねえ……」

――どんな迷いですか?

「どんな曲調にするかですね。その時点ではドラマの映像を見ていない状態じゃないですか。自分が作っている曲が、ドラマの世界観を壊すようなことがあったらいやだなって。何パターンも作ったんですけど、最終的にはこれまでやってきたなかで一番マッチョなロック曲になりました。プロデュースをしてくれたのはトーレ・ヨハンソンで、最初は少し違った仕上がりだったんですけど、このドラマの内容だったり、今、日本が置かれている状況みたいなことも含めて、いろいろコミュニケーションをとりながらまた修正していって。トーレには今までで一番マスキュリンな曲にしてくれって頼んで、最終的にかなり男臭い仕上がりになったと思います」

――トーレさんとはいろいろ作品を作ってきているので、2人の共通言語がありそうですね。

「そうですね。でも、もう4〜5年ちゃんと顔を合わせてないんですよ。こうした曲作りも楽しいですけど、顔を見つつやるセッションもすごく面白いんで、またやりたいなって思ってます」

――歌詞はどのように進めましたか?

「永作博美さん演じる丸岡高子がシングルマザーっていうのは、私は子供を持ったことがないので、想像するしかないですけど、何よりもアグレッシブだし強烈なキャラクターの女性ですよね。そういう部分、自分のなかにもあると思うんですけど……」

――歌詞に「ざけんなって言いたいよ」というのがありますよね。

「ありますね。前のシングル『カイト』でも“くそくらえ”って書いているし(笑)。そういうのって日常で表に出すことはほとんどないけれど、どこかにありますよね、くそーっていうのが(笑)。毎日言ってるようではあれだけど、歌だったらいいんじゃないかっていうのがあります。ただ、“ざけんな”っていうのは、やっぱりこのドラマだからというか高子がいたからこそ、出てきたし、書けた言葉だと思っています。話を続けると、高子の視点で歌詞を書いているうちに、それに加えて、もっと女性的な部分、ドラマでいうなら香里奈さんが演じている葵の目線が自然と混ざってきました。最終的には、混ざったことで、どんな女性でも共感できる曲に仕上がったかなと思います」

――マッチョなロックサウンドと「ざけんな」、BONNIE PINKの世界観が組み合わせられたということでしょうね。さて、読者がこの曲を歌う時のアドバイスをいただけますか。

「思いっきり腹から声を出して歌うってことですかね。ストレスたまってる時なんかは歌うとスカッとする曲だと思うので。それと、ポイントになるのは歌い始めですね。イントロはドラムのかなり短いフィルで、無いに等しいので、何度もよく聴いていただいてガツンと歌い出していただければいいと思います」

(本紙・酒井紫野)

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New Single『冷たい雨』

ワーナーミュージックより2月29日(水)発売 初回限定盤(CD+DVD)1500円、通常盤1000円(税込)。初回限定盤のDVDには昨年行われたアコースティックツアーの音源などライブ音源2曲を収録。