桐山 漣「カメレオン俳優、目指す」

今、最も注目したいイケメン俳優

桐山漣への注目度が高まっている。この春から夏にかけて"桐山漣の仕事"が一挙に世の中に送り出されるからだ。昨年公開された2本の主演映画『君へ。』と『吉祥寺の朝比奈くん』のDVD化が決定。それに先立って、4月10日にスタートする話題のドラマ『37歳で医者になった僕.研修医純情物語』にも出演する。それぞれの作品で異なる魅力を放ち光る、桐山にインタビューした。

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スタイリスト・吉田ナオキ ヘアメイク・江夏智也(elephantlip) 撮影・蔦野裕

 スーパーヒーローに、イケメンプレーボーイ、そしてヘタレの兄ちゃん。桐山漣は今、さまざまな役柄を演じるチャンスを得て、役者としてさらに飛躍を遂げようとしている。「役によって変わっていく、次はどういう感じなのかって楽しみにしてもらえるような役者になりたいんです。カメレオンのような」と、桐山。 

 この春から夏にかけては、理想の役者道を突き進む桐山を一気に見られるチャンス。昨年公開された2本の主演映画『吉祥寺の朝日奈くん』と『君へ。』がそれぞれ5月、6月にDVD化される。

「両方とも昨年公開の作品なんですけど、『君へ。』は撮影が3年前ぐらいだったこともあって、自分としては懐かしいという思いが強い作品です。去年撮影した『吉祥寺の朝日奈くん』は、初めてのタイプの役柄で、明るくて女ったらしっていうイメージではない部分を見せられたんじゃないかなと思います(笑)」

『吉祥寺の朝日奈くん』で演じたのは、夢に破れ、恋するけれど、自分からは決してアクションを起こせない、ちょっとヘタレな男だった。

「東日本大震災直後の撮影で、期間も10日ほどで、かなりハードなスケジュールの撮影で、集中力を保つという意味では大変な現場でしたね。朝日奈くんを演じるのにはすごく集中力が必要だったから。集中していないと、歩き方やしゃべり方も彼らしさが薄れていってしまったりして。震災直後の世の中の雰囲気も含めて、自分にできるのは今やるべきことをしっかりやることだと確認もできて、逆に後押ししてもらった部分もあります」

 歩き方やしゃべり方に留まらず、声色、ちょっとしたくせ。撮影前にはそうした部分までイメージを膨らませるのが、桐山がひとつの作品に臨むスタイル。

「当たり前のことですけど、僕がそこにいるのではなくて、僕が演じているその人物が作品の中に立っていなくちゃいけない。だから、どんな人物を演じるにしても、その人物の歩き方だったりしゃべり方だったりをある程度考えてから撮影に入ります。台本を読みながら、まずはこの人物がどんな動き方をするのか、どんなしゃべり方をするのかをイメージしながら感じ取って......そうだな、60%ぐらい作り上げて、現場でイメージを具体化していく感じです」

 その「60%」の大切さにはごく最近気付いた。

「以前は、もっとカッチリと作り上げていました。少しも考えないのは問題なんですけど(笑)、そこまでやってしまうと、現場での要望に臨機応変にこたえられなかったりすることもあると思うんです。例えば、セリフひとつを読むにしても、とらえ方って一種類じゃなくて、ああも取れるしこうも取れるって多様です。監督と自分の間でも違うこともありますから、話し合いをしたりしながら、その部分を合わせていって作品ができる。だから、ある程度のフォーマットを作っておいて、要望に対応できるようにしたほうが、役者として大事だなって思いますね。......なんて、それに気付いたのは、ほんの去年だったりするんですけど(笑)」

 そう考えられるようになったのも、役者としての自信やいい意味での余裕が出てきたからかも? そんな桐山の今が見られるのが、4月10日にスタートする『37歳で医者になった僕.研修医純情物語』(フジテレビ系・火曜夜10時.)。この作品で、主人公の同僚となる研修医を演じる。

「また初めて演じる役回りなんですよ。研修医でお坊っちゃま! そのスイッチを入れるのが大変ですけど、見ていただく時に甘い汁を吸ってきた感が出ればいいかなって思ってやっています。現場も、主演の草なぎさんを始め、先輩方もたくさんいらっしゃいますし、いい刺激を受けてやっています」

「カメレオン俳優」を目指す桐山の引き出しはどんどん増えている。次に増えそうな引き出しも気になるところ。

「そうですね、悪役、それもゲーム感覚で楽しむような狂気の人みたいな話をいただけたらうれしいだろうなあ。もしくは、人間じゃないような役? 僕、『シザーハンズ』が大好きなんですよ。人間じゃないことにつらさや切なさがあるっていう......」

 もうすでに、「次はどういう感じなのかって楽しみ」だ。

(本紙・酒井紫野)

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主演映画2カ月連続でDVD化

桐山漣主演作が2カ月連続でDVD化。吉祥寺に住む夢に破れバイト生活を送りながら子持ち人妻に恋する主人公を演じた『吉祥寺の朝日奈くん』は5月16日発売。突然いなくなった初恋の人への想いを抱きながら生きていく姿を描いた『君へ。』は6月20日発売。ともにポニーキャニオンより発売。各4935円(税込)
©「吉祥寺の朝日奈くん」製作委員会