都の尖閣購入寄付 20日間で7億円目前
尖閣諸島(沖縄県石垣市)購入計画をめぐり、東京都が購入資金の寄付口座を開設してから16日で20日がたち、総額約7億円が集まっている。購入額は未定だが「10億~15億円」(関係者)との見方があり、寄付だけでこれを超える可能性も現実味を帯びてきた。16日午後6時現在の寄付は計5万731件、6億9342万5018円。1日あたりでみると、2500件以上、約3000万円に上る。このほかに、起業家から1億円の申し出もあるという。
購入額以上に寄付が集まった場合について、石原慎太郎都知事は同日夜に出演したテレビ番組で「購入後も島でしなくちゃいけない作業の費用もあるでしょうから、浄財はいつまでも受けさせていただいて有効に使う」と述べ、漁業振興や自然保護などにあてる考えを示した。
石原知事は「日本人も捨てたもんじゃない。うれしさで胸がいっぱい」と自ら筆をとり、「みんなでこの国を守りましょう」などと感謝のメッセージを作成。寄付者へ送付するよう事務方に指示した。都によると知事は「一人一人に感謝の思いを直接伝えたい」との意向で、メッセージを郵送する予定。
寄付金が財源でも、都で購入するには都議会の同意が必要だ。議員レベルの賛意はあるが、「反対」を明言している共産党以外の主要各派は「購入後の活用方法など具体的提案の前には言及しづらい」などと明確な意見表明をしていない。購入議案は年末にも提案の見込みだが石原知事は6月の定例会でも購入について説明する意向で、都議会の反応が注目される。