綾野剛をつかまえて

月刊MEN最新刊に、今大注目のイケメン登場!

旬の注目男優と人気写真家がコラボする月刊MEN最新刊は「連続テレビ小説・カーネーション」や現在放送中のドラマ「クレオパトラな女たち」などで大注目の綾野剛!
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ヘアメイク・石邑麻由 スタイリスト・青木貴志 撮影・神谷渚

 一般的に蜷川実花作品は鮮烈な色彩の写真で知られているが今回、綾野は蜷川にモノクロ撮影を提案した。 「蜷川さんの"色"に負けたくなかったんです。といって"僕の写真集"を作りたかったわけじゃなく、蜷川さんと僕が一緒に作るというコラボがしたかったんです。コラボしつつ、お互いに挑戦となるものは...と考えて、モノクロではどうか、と。蜷川さんの作品=カラーというイメージを持っている人は多いし、僕にとっても色に助けられることが無い分、モノクロでは各ショットごとに違う表情をしないと、すべて同じように見えかねない。そういう"枷"によって互いにコラボしている感じがより強く出るのでは、と思ったんです」  ある意味カラーより鮮烈に、雄弁に"綾野剛、渋谷の一夜"が綴られていく。 「実際に汗も涙も流してきた場所のほうがリアルな自分を再生できると思って渋谷にしました。リゾートなんかに行ったら楽しい顔しかできないですしね(笑)」  交差点に横たわる綾野の横を人々が普通に行き交うショットが面白い。渋谷系ファッションが似合っているせいか。 「自分ではもう2、3年ほどちゃんと服を買っていないんですよ。物持ちがいいので(笑)。その分、撮影のときは遊び心を大事にしようと思って、個性的な服を選ぶようにしています。実は自分なりにテーマがあるんですよ。今年はとことん奇抜でいこう、とか。今は、服の生地や裁断にこだわってみたりしています」  同じスタイルでいるのが好きじゃない、と綾野。思えば綾野剛という俳優は、ときに同一人物と思えないほど作品によって違って見える。今年は『るろうに剣心』『へルタースケルター』『新しい靴を買わなくちゃ』『その夜の侍』などまったく異なる作風の出演作が控える。 「僕は、イメージがついたら終わりだと思っています。どんな役をやっても同じイメージになりかねませんから。作品ごとに変えていきたいし、そのための努力は惜しまないつもりです」  今回の撮影中にも、自分から言い出して髪を切った。 「この写真の、周りに散っているのは僕の髪です。もともと自分の髪型に興味無いんですよ。ロン毛だったときも役の都合で伸ばしていただけだし、短髪の役が来たら切りますし。仕事が無かったらそのまま伸びていくだけなんです(笑)」  仕事へのこだわりに反比例して"イメージ"への、このこだわりの無さ。 「"自分はこう"とか決めつけると、可能性を無くすことにもなりますから。それに、僕は常にその時のコラボ相手と一緒に作品を作り上げていきたいので、そうするといつも自分の得意分野ばかりやっていられなくなる。だからこそ創造的なものになるし、それが自分の成長にもつながると思うんです」  今年、30歳を迎えた。 「年齢に思うところは特には無いですね。だいたい、男ってバカだから30歳になったからって簡単に変わらないですし。そういうのを女性が見て"はいはい"って言ってくれるから成立するというか」  女性から"男ってバカよね"と言われてもムッとしない? 「全然ないですね。そうだよ、バカだよ、って(笑)」  そんな綾野が、面白いキーワードを口にした。プールで撮影された水中でのショットについて話していたときだ。 「このときは"羊水"の中にいるようなイメージでいました。言ってみれば今回、撮影した渋谷という場所も、僕にとっては"胎内"みたいなものですしね。といっても"育まれる"という感覚ではないんです。圧迫感の中でもがいている、というほうが近いかもしれません。胎児が蹴ったりするというのは"早く外の世界に出たい!"って思っているのかもしれないでしょ。今回は、そんな感覚がしっくりきたんですよね」 "胎内・渋谷"に溶け込みそうで溶け込まない。とらわれることのない男・綾野剛をつかまえて。
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★綾野剛オフィシャルウェブサイト http://www.tristone.co.jp/ayano/