野田首相と小沢元代表の会談実現も平行線
野田佳彦首相と小沢一郎民主党元代表が30日昼、党本部で会談した。首相は「消費税増税は待ったなしだ。今国会中に採決して成立を期すのが私の立場だ」と協力を求めたが、小沢氏は「政権としてやるべきことがある。賛成というわけにはいかない」と拒み、決裂した。
これを受け、首相は消費税増税法案成立に向け、自民党との修正協議を本格化させる構え。民主党幹部には会期末の6月21日までに法案を衆院で採決するよう指示した。新体制を早急に固め、原子力規制組織設置など懸案を一気に解決したいと考えているという。
小沢氏との会談後、野田首相は険しい表情で「できるだけ多くの同志が結束して野党と向き合い、成案を得るということです」と語った。この言葉からも目的が「小沢氏との決別」だったことは明らか。首相の視線はすでに次のハードルである内閣改造に移っている。
会談は1時間半も続いたが、ずっと平行線。小沢氏は「増税の前にやることがある」と説いたが、首相は「財政再建は待ったなしだ。このままでは『決められない政治』として日本の政治は漂流する」とはね付けた。
会談後、小沢氏は「1時間半近く、ざっくばらんな意見交換ができたと思っている。首相と一致点を見いだすかどうかは分からない」と語った。また同席した輿石東幹事長は「結果的にいい会談だったと思っている。この政権を維持し『国民の生活が第一』の政策を打ち立てていくということでは、首相も元代表も少しも食い違っていない」と語った。