野田第2次改造内閣 防衛相に民間・森本氏

 野田佳彦首相は4日、官邸で記者会見し、第2次改造内閣の閣僚名簿を発表した。5閣僚を交代させ、防衛相に防衛庁長官時代を含め民間から初めて森本敏拓殖大大学院教授を起用した。  問責決議を受けた田中直紀防衛相と前田武志国土交通相に加え、鹿野道彦農林水産相、小川敏夫法相を交代させ、国交相に羽田雄一郎氏、農水相に郡司彰氏、法相に滝実氏を起用。退任を申し出た自見庄三郎郵政改革・金融担当相の後任に松下忠洋氏を充てた。  首相は森本氏について「安全保障の第一人者だ。平和と安全を守るため力を発揮してもらえると確信している」と期待感を表明。岡田克也副総理ら13閣僚は留任した。輿石東幹事長ら民主党執行部も入閣した羽田氏以外は続投する。  森本氏の防衛相起用には、文民統制(シビリアンコントロール)の原則からは何の問題もないが、民間人に防衛・安保に関する政治決断を強いることには与野党に異論がある。鳩山由紀夫元首相は5日、「ミサイルのスイッチを入れる権限を有する方が選挙の洗礼を経ない方でよいのか」と文民統制上の疑義があると懸念を示した。  また農林水産相に就任した郡司彰参院議員は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については交渉参加に慎重な立場を取っている。野田首相が参加姿勢を後退させたと受け止められれば関係国との協議にも影響を与える可能性がある。  郡司氏は就任会見で、「TPPについては考え方を整理する」と語った。