新a-nation 100万人フェスへ

渋谷を10日間ジャックするタウンフェス、スタジアム公演も!

日本の夏のメーンイベントの1つ、a-nationが変わる。すでに報道されているように、渋谷を10日間ジャックして行う 【musicweek】と、東京と大阪でトータル4デイズの 【stadium fes.】で構成される大型イベントになる。今も揺るぎない人気を誇るa-nationは、なぜこのタイミングで新たな体制で再スタートを切るのか。エイベックス・ライヴ・クリエイティヴの林寿朗代表取締役副社長に聞いた。
ジャンルやレーベルを越えたラインアップで
音楽・エンターテインメントのプラットフォームに
ph_feature0100.jpg
 昨年10周年を迎えた「a-nation」は、毎年、各会場でチケットが手に入りにくい状況が生まれているほどの人気だ。そんななか、a-nationは大々的な改革を発表。渋谷で10日間にわたって行う【musicweek】と、東京と大阪での【stadium fes.】の構成で、新たなスタートを切る。 「サーキット型では完成形といえる段階で、言うなら次はピークアウトを迎えるだけ。公演数を増やすだとか、ライブ以外の部分を充実させるような、ちょっとしたリニューアルではいけない時期にさしかかった。10年後も楽しめるということを考えての決断でした」  地方巡業から一極集中へ。ステージの輸送や設営・解体に掛かっていた費用を、イベントそのものに集中させ、「自分たちの目指すクオリティーに近づける」のが狙い。今夏からは、a-nationがもともと目指していたコンセプト"音楽のテーマパーク"づくりをする。渋谷全体を会場ととらえ、「100万人の動員を想定」している(チケット券売は30万枚)。  渋谷を選んだのは、音楽やファッションなどいろいろなカルチャーが生まれてきた街で、さまざまな文化、年代層、考え方が集まる場所であること、これから音楽を発信していくことにおいても「ポテンシャルがある街」であるのが理由。そして、決定のダメ押しとなったのが、世界最大級のダンス・ミュージックの見本市「ウインター・ミュージック・カンファレンス」だったという。 「街全体が会場になるんです。一般的なファミレスに、DJが入ってていきなりクラブみたいになったりして。それを考えたら、さまざまなサイズの会場がある渋谷は理想的な場所です。【musicweek】のライブ会場である国立代々木競技場第一体育館やその一帯はもちろん、センター街や公園通りをはじめとする街頭にフラッグを立てたり、ファッションビルや百貨店には、テーマ性のある音楽が流れ、その音楽と関係があるファッションが提案される。カフェやレストランでは特別なメニューがあったり......、渋谷の街が会場になる、タウンフェスのイメージです。【stadium fes.】が渋谷でできたら完璧だったんですが、会場がないので残念ですね」
ph_feature0101.jpg

撮影・蔦野裕

 新しいa-nationではさまざまな挑戦が行われるが、なかでも【musicweek】は、「もっとも挑戦している」部分。クラブ系、バンド、アニメ、アジア、アイドル、ロックなど日替わりで設けられたテーマの下、音楽レーベルや事務所、国境といった枠を超え、さまざまなアーティストが出演。「今ある音楽シーン、楽しめる音楽シーンで作り上げる」。  浜崎あゆみ、EXILE、AAA、BIGBANGらが出演する【stadium fes.】も変わる。それぞれの出演時間を延ばしたり、日程ごとに出演アーティストを大幅に変えるなど、「ここだけでしか見られないライブ」を追求。【musicweek】同様、ボーダレスなラインアップも推し進める。 「今はもう、1つのレーベルとして活動すればいい時代ではないですし、a-nationもエイベックスのa-nationではなくて、音楽・エンターテインメントのプラットフォームとしてあるべきだと考えています。ジャンルやレーベルを越えたラインアップで、さまざまなアーティストに触れていただく。それが、音楽シーンの盛り上がりにつながっていけばいい」  開幕まであと1カ月と少し。2年前から進めてきた準備も大詰めだ。 「プレッシャーは感じていますが、楽しいんですよ。制作している者が楽しんでやる――エンターテインメントにおいて一番大切なことができているんです」 【musicweek】は、8月3日からスタート。【stadium fes.】は、8月18、19日が大阪・長居スタジアム、同25、26日が東京・味の素スタジアムで。詳細は、公式サイト(http://a-nation.net/)で。