男子サッカー 勝てるのか!?いきなり試練のスペイン戦

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(Photo/AFLO)

 真夏のスポーツの祭典「ロンドン五輪」が7月27日、ついに開幕する。なんといっても今五輪で最も注目を集めているのは男女のサッカーだろう。  グループDの男子は26日の初戦はスペインと対戦、第2戦はモロッコ(29日)、第3戦のホンジュラス(8月1日)と続く。  スペインは2011年U−21欧州選手権で優勝。今五輪では優勝候補の筆頭だ。  4年前の北京五輪ではグループリーグでアメリカ、ナイジェリア、オランダに3連敗を喫し、早々に北京の地を去った日本。  それに比べ今回は恵まれた組み合わせといえるかもしれない。優勝候補のスペインの実力が抜けているだけに、2位での通過を狙うことになるのだが、ホンジュラス、モロッコ相手なら勝算は高い。  また初戦でスペインと対戦するというのは日本にとってはかえって良かったのかもしれない。グループリーグの初戦というのはどんなチームも「取りあえず負けたくない」というメンタリティーが強く、探り合いの展開になることがままある。初戦のスペインにならつけいるスキはある。  試合展開を予想すると、日本としては引き分けならOK。あわよくば少ないチャンスを得点に結びつけられないかといったところ。負けるにしても、グループ2位争いを見越して最小の得失点差で乗り切りたい。  となるとどうしても守備重視のスタイルになる。守備を固めてカウンターを狙う作戦となれば、鍵を握るのは快足FWの永井謙佑(名古屋)。ボランチを務める扇原貴宏(C大阪)からのロングフィードに永井が走り込み、DFを振り切りゴール。そんなシーンは期待できないだろうか。  しかし日本DF陣には大きな不安点がある。5月に行われた、「トゥーロン国際」では1勝2敗でグループリーグ敗退。3試合で7失点と守備が崩壊した。  失点シーンにはひとつのパターンがある。それはサイドを突破され自由にクロスを上げられる。そしてセンターバックのマークが甘く、失点を許してしまうというもの。セットプレーからの失点も改善されていなかった。他にもフィジカルでの弱さと特にセカンドボールへの対応時の球際の弱さが目についた。  スペインは細かいパスワークとタテに速い攻撃が特色。トゥーロン国際でも再三破られた日本の左サイドはチアゴ・アルカンタラ(バルセロナ)などタレント揃いで不安は残る。  アトランタ五輪では初戦でブラジルを破るという「マイアミの奇跡」を演出した日本。果たして「グラスゴーの奇跡」を起こせるのか。もっとも、アトランタ五輪では2戦目の敗戦が響き、2勝1敗ながらグループリーグで敗退。突破には2戦目のモロッコ戦が日本の命運をかけた戦いとなる。