小池百合子のMOTTAINAI
残暑お見舞い申し上げます。
今年もこれまでに増して不快な夏が続いています。自然条件による暑さだけではありません。
天皇陛下に対する李明博韓国大統領の暴言、慰安婦問題の蒸し返し、竹島に向けて泳ぐ韓流スター。香港の活動家による尖閣への上陸。振り返れば、ロシアのメドベージェフ首相による二度目の北方領土訪問もつい先日のことです。
これほど日本が近隣諸国からの挑発を受けたことはなかったはずです。これではかつてのABCD包囲網ではなく、中露韓、CHINA、RUSSIA、そしてKOREAによる包囲ではありませんか。おまけに「国外、少なくとも県外」だの、多数の民主党議員団による北京への朝貢外交などで同盟国であるアメリカとの間にすきま風を吹かすなど、自らでCARK包囲網を呼び込んだようなものです。
有名な中国の「孫氏の兵法」では「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と言いますが、野心を持つ近隣諸国はわが国の安全保障にスキがあるとして、一気に積極策に出たと見られます。
一川保夫前防衛相の「素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」発言、「もしもし大臣」の称号が与えられた田中直毅氏の対応ぶりなど、日本の防衛体制のスキをついてのことです。ましてや、専門家として民間から擁立した森本防衛大臣の「竹島訪問は韓国の内政上の判断」発言は、たとえ本意ではなかったとはいえ、不用意なものとしか言えません。
「社会保障と税の一体改革」では、語気を強めて発言していた野田首相ですが、安全保障となると、トーンダウン。財務省によるシナリオがなくなった途端、のことです。
子ども手当や後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金など、社会保障については、バラ撒き政策以外は何もなかったからこそ、自民党案を丸呑みした民主党です。「安全保障」あってこその「社会保障」の充実ですから、自民党がすでに党の政策として準備している案を丸呑みすべきでしょう。
戦後67年が経ち、高度成長、人口増加の時代から、21世紀の日本は新しいパラダイムを必要としています。新興国の成長ぶりも、これまでの世界の構図に大きな変化をもたらしています。
あらためて安倍政権でさかんに謳われた「戦後レジームからの脱却」を進めなければならないと思います。
領土問題など主権に関する教育をないがしろにし、原発の安全神話を支え、農業を衰退させてきた自民党は、野党である今こそ大きくやり直す必要があります。憲法を改正するとともに、世界での発言力を確保するためにも景気対策など経済の再生もまったなしです。
やり直しましょう。真摯に。確実に。
(自民党衆議院議員)