渡辺謙が『許されざる者』をリメイク「大きな挑戦」
渡辺謙主演で、1993年に米アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した米映画『許されざる者』の日本版が製作されることが19日、分かった。クリント・イーストウッドが主演・監督の傑作西部劇を、江戸幕府崩壊後の北海道を舞台にした時代劇に設定変更。監督は『フラガール』『悪人』の李相日氏で、来秋公開。
きっかけは、同作に大きな感銘を受けていた李監督が昨年5月、設定を日本に置き換えた作品を撮りたいと企画を持ち込んだこと。主演として、「イーストウッドの役は、ほかに考えられない」とオファーを受けた渡辺は、すぐに快諾した。
日本版は、オリジナルと同じ1880年の北海道を舞台に、二度と刀を持たないと決めた江戸幕府の残党(渡辺)が、貧困の末、再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じる中で、自分に潜む暴力性と葛藤する姿を描く。
李監督は「“正義の人”の印象が強い渡辺謙さんの、自分でも抑えきれない悪の部分をどれだけ引き出せるか」と、渡辺の新境地開拓に期待する。『硫黄島からの手紙』で渡辺と共演したイーストウッドは「私の良き友人である渡辺謙氏と李監督がタッグを組むと聞いて、大変光栄に思います」とコメントしている。
渡辺は「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメークするのは、大きな挑戦。李監督とともに北海道の大地と格闘しながら、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたい」と気合を入れている。モーガン・フリーマンが演じた主人公の相棒役には柄本明、ジーン・ハックマンが演じた敵役には佐藤浩市に決定している。