吉永小百合、キスシーンの話題ではにかむ

20121004a.jpg  映画『北のカナリアたち』の完成披露記者会見が3日、都内にて行われ、吉永小百合、柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平といった豪華キャストと、阪本順治監督、原作の湊かなえらが出席した。
 

 厳しい自然に抱かれた北海道の学校で6人の生徒たちと絆を育んだ女性教師が、20年後、ある事件の真相を知るため生徒たちと再会し、彼らが胸に秘めていた思いに触れていくという物語。


 主人公の教師を演じた吉永からはもちろん、先輩俳優やスタッフから学ぶことの多い現場だったと、口々に語る生徒役の俳優たち。印象に残るシーンを尋ねられると、一様に吉永と歌った合唱シーンをあげた。満島は「何度かテストで歌っているうちにみんなの気分が高揚しすぎてしまったときがあって、吉永さんはその場の空気が澄んで優しくなるまで待ってから、(歌のシーンに入るため)こちらを振り向いたんですが、その時の顔が本当に神々しくて」と語り、宮崎は「先生の目をまっすぐ見ることのない芝居がストレスだったんですが、合唱のシーンではまっすぐ見ることができてうれしかったです」、松田も「(歌を歌っていたら)本当に久々にみんなと再会したような、温かく不思議な気持ちになりました」と振り返った。そんな生徒たちを、吉永はうれしげな表情で見つめ「6人が真っ直ぐ目を見てくれたとき、本当に感動しました。私は先生になりたいと思ったこともあったので、俳優冥利というか、先生冥利につきました」と思いを明かした。


 また、記者から仲村トオルとのキスシーンについて質問されると「監督といろいろ話をして、監督が"キスシーンにしましょう"とおっしゃったので、私も"はい"と。でも、全身が映るショットと聞いていたんですが、アップになっていて。監督の度胸の良さにびっくりしました(笑)。仲村さんはその撮影が終わって夕方には帰られたんですが、気恥ずかしくて挨拶もできなくて...」とはにかんでいた。


 会見後に行われた舞台挨拶では、本作の音楽に携わったヴァイオリニスト・川井郁子が同作のメインテーマを生演奏し、吉永が生徒役の子役とともに合唱を披露。"吉永先生"の温かさが会場に伝わるイベントとなった。
 『北のカナリアたち』は11月3日より全国公開。