SPECIAL INTERVIEW kainatsu
4月にアーティスト表記を変更したシンガーソングライターのkainatsuが9月に『凜ダンス』をリリース。そして新曲をひっさげ10月以降はライブがめじろ押しだ。
まずどうして表記を変更?
「アルファベットのkainatsuは自分で作詞作曲をするときのクレジットでもともと使っていたんですね。今年の4月から新しい事務所に移って新しいチームで活動しているんですが、自分にとっては“心機一転! 第2章の始まり”という感覚だったので、今回がいいタイミングかなって思いました」
そして9月に2年8カ月ぶりにリリース。
「21歳でデビューして、現在29歳なんですが、この年齢にとっては2年半ってすごく大事な時間だと思います。本来であればもっといっぱいリリースしていくべきだったんでしょうけど、私の場合は結果としては助走期間のようになっていてすごく良かったと思っています」
今まで作品のなかで描く女性像は、少女性が強かったり、頑張っている女の子というのがメインだった。しかし『凜ダンス』はちょっと違っている。
「30代40代になってもずっと歌い続けていく音楽を作りたいなって最近は思うようになってきていました。そういう意味では『凜ダンス』では凄くいいきっかけをもらいました。今回、CMソングになったんですが、デモテープを聞いて、“ぜひ歌ってください”ということだったんです。曲自体は2〜3年前からあったんですが、歌詞は製品のイメージに合わせなきゃいけない。それが〈自立した女性〉というテーマだったんです。それはまさに自分がこれから歌っていきたいテーマでもあったから、そういうきっかけをもらって、しかもそれがたくさんの人の耳に触れるといういいプレッシャーの中で一曲書き上げられた。これからのkainatsuのひとつの指針になっていってくれる曲になったと思います」
カップリングの『あいをつくろう』は東日本大震災に大きな影響を受けた曲。
「物作りをする人で影響を受けていない人はいないと思うんです。震災直後、ライブも流れてしまい、家の中で曲を作っていた時って、音楽そのものがしばらくはあまり必要とされていないような印象を受けていた時期だったんですよね。自分の無力さを感じもしましたし。でもそのときでもラジオのレギュラーは持っていまして、あくまで自分は発信する側の人間だから、そこで何もしないということは、多分凄く後悔すると思ったんです。それでこの曲を震災の4日後くらいに作って、1週間後にレギュラーのラジオの生放送で弾き語りをしました。それからずっとライブでも歌ってきました」
デビュー前からピアノの弾き語りで多くのライブを重ねてきた。回数を重ねるごとにそのパフォーマンスはファンの心をひきつけるものになっている。
「ライブは頻繁にやってます。昔はバンド形式では年に1回のワンマンツアーをやるときしかやってなかったんです。それだとバンドで歌うってことを突き詰めていけないんです。毎回がチャレンジになってしまっていて、そうするとどうしても力みが出る。なので今ではバンド編成でやるライブも数多くやるようにしました。以前はバンドと弾き語りって自分の中では凄くかけ離れちゃっていたんですけど、そういう今まではできなかったことがこの2年くらいの間で、いろんな隙間をうめられながらできるようになってきました」
20日に『凜ダンス』のリリースライブが、12月9日にはワンマンライブが決まった。
「20日はピアノとギターの弾き語り。2回やるんですが5〜6曲ずつは歌えるかな? 12月9日は下北沢のCLUB Queで、8月以来のワンマンになります」
kainatsuにとってライブとは?
「曲を育てていく場所だと思います。例えばデビュー当時に歌っていた曲を今の自分が歌うと、やっぱり曲が全然違ったものに変わっていくんです。やっぱりライブをやり続けていかないと、その変化って出てこないですから」
ライブには一歩一歩着実にアーティストとして成長を続けるkainatsuの現在が詰まっている。
(本紙・本吉英人)
「アリオライブセレクションVol.13 TVK「ありがとッ!」公開録画ライブ」
【日時】10月20日(土)14時〜と16時〜の2回ステージ
【会場】アリオ橋本(京王線橋本駅)
【料金】無料 ※当日、ライブ会場で、CD購入者を対象にライブ終了後、サイン会開催
〈ラジオ〉
K-MIX「K-MIX Rainbow Fly-Day」(毎週金曜13時〜17時20分、公開生放送)
FM NACK5「STROBE NIGHT!」(毎週月曜 深夜1時〜翌朝6時)