長島昭久のリアリズム

官邸1年、今度は防衛副大臣へ!

 去る10月2日、外交安全保障担当の内閣総理大臣補佐官を退任し、約2年ぶりに防衛省へ戻り、副大臣として森本敏防衛大臣を支えつつ陸海空自衛隊を統括する任にあたることとなりました。森本大臣とは2004年に共著(もう一人の共著者は石破茂自民党幹事長!)もあり、米国留学時代にお世話になって以来15年来の師弟コンビなので不安はまったくありません。
 ところで、約1年間務めた総理補佐官としては、試行錯誤の繰り返しでしたが、総理を援け官邸を中心とした外交安保政策の推進に力を注ぎ、いくつかの成果も挙げてきたと自負しています。たとえば、昨年末の官房長官談話による武器輸出三原則の緩和措置は、1976年以来約40年ぶりの政策転換です。また、一時期動揺を来した日米同盟を立て直し、4月末のワシントンでの日米首脳会談では、日米安保協力の射程を日本およびその周辺から、アジア太平洋・インド洋地域へ、宇宙から、海洋、サイバー空間へと拡大するとともに、日米の任務、役割、能力分担をさらに深化させる合意を実現しました。さらに、TPPへの参加表明や海洋秩序づくりの提案など、これまで、ともすれば受け身になりがちだった戦後日本の外交姿勢を抜本的に転換しました。9月には日中関係に深刻な緊張が走りましたが、懸案だった尖閣諸島の「所有権移転(国有化)」も実現しました。今後は、事態をこれ以上エスカレートさせることなく、多少時間がかかることを覚悟の上で、両国の戦略的利益(短期的な利害得失に目を奪われることなく、中長期的な視野でアジアの両雄関係を発展させていく利益の共有)に基づいた「新たな日中関係」を構築して行くべく努力してまいります。
 さて、防衛副大臣としての最大の使命は、国民の生命財産を守り、主権と国土、領海を護り、国家の生存と繁栄を保障することです。そのためにも、自民党政権以来11年連続で減少してきた国防予算を増額に反転させることが、まず何よりも喫緊の課題です。2年前、党の外交安全保障調査会事務局長として策定に関わった防衛計画の大綱に盛り込まれた南西方面の防衛態勢強化を中核とする「動的防衛力」の整備を行うためにも、必要な予算を確保せねばなりません。また、日米同盟の健全な発展のためには、オスプレイの配備が開始された普天間基地の移設を加速させ、併せて米海兵隊のグアム移転に伴う嘉手納基地以南の土地の返還を推進し、沖縄の皆さんの負担を目に見える形で軽減していくことも、私の重要な使命です。いずれにせよ、一日一日に全身全霊全力を傾けて国防の任務に邁進してまいります。
(防衛副大臣 衆議院議員 長島昭久)