WBC世界Sフェザー級タイトル戦で粟生が防衛に失敗

 世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦が27日、東京国際フォーラムで行われ、チャンピオンの粟生隆寛が挑戦者で同級4位のガマリエル・ディアス(メキシコ)に0−3の判定で敗れ、4度目の防衛に失敗した。

 粟生は3回に偶然のバッティングで左目上を切る。試合後「血が目に入り、初めて見づらいと思った。焦りがあったのかもしれない」と語った通り、これで出鼻をくじかれたことは否めない。もともと距離感には長けている粟生だが、この日はさして鋭くもない相手の右をもらい続け、顔の左半分は血に染まった。4、8回終了時に公開された採点で劣勢を分かっていながら、突破口になるべきジャブも手数が少なく、最後まで流れを引き寄せられなかった。

 ただ帝拳ジムの本田明彦会長が「練習から全く体に力が入っていなかった」と明かしたように、試合前からコンディションがベストではなかったようだ。減量を始めた約2カ月前から動きが鈍り、その後も状態は上向かなかった。

 本田会長が「ウエートの問題ではない。原因が分からない。今の状態なら世界レベルで戦うのは無理」と語れば、粟生も「一から出直したいけど、いろいろ相談して…」と語るにとどまった。

 この日の敗戦で世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級王者の内山高志との日本人王者同士での王座統一戦という夢のプランは、まさに夢と終わりそうだ。