商品を介してお客様のライフスタイルをサポートしていきたい
青山メインランドは、主に投資用のマンションを販売する会社。年間約800戸という供給数は、業界でもトップクラス。その上、これまでに供給してきた約1万戸以上の物件と、新規で月々増える平均約60戸の物件の稼働率が98%以上というから驚きだ。都心部、駅近、単身者用に特化した戦略で成功してきた同社の今後の展開や市場の動向を、「社員の成長が会社の成長につながる」と言う常務取締役の福田俊孝氏に聞く。
金融商品としての不動産
「競合他社というと、同じ不動産業界を考えるかもしれませんが、私はもう少し視野を広げて、金融商品という枠組みに当社の商品があると考えています。金融商品には、いろいろありますが、それらと比較して、うちの優位性を意識することで、より広いマーケットで捉えることができる。お客様の目的は将来の不安を解消したいとか、効率良く資産形成や貯蓄をしたいとかですから、それが達成されるために、手段としてどの商品を選ぶかなんです。ですから、大きな金融商品という枠組みの中で比較してほしいと思っています」
今後の業界動向
「首都圏のワンルームマンションは、バブル崩壊後、20年近く坪単価に大きな変動がないことからも(※1)、価格がここから大きく下落することは現在の市況では考えづらいです。家賃の変動に影響を与える指標として、少子化という問題があります。そのため空室率が上がるのではという話がお客様から不安要素として出てきますが、国立人口問題研究所が出している数値では、現在1億2700万人の日本の人口は25年後には1億1000万人になると推測 されていますが、東京都に限っては、現在1290万人のところ、25年後は1270万人と予測され、大幅な変動はないとしています。さらに、人口が減ったとしても、世帯数は増加しているんです。単身者とか1人暮らしとか核家族が増えてきて、世帯人数割合も増えている。その上23区の大半の区がワンルームマンションを新たに作ることに規制をかけ、無尽蔵に増やせなくなってきました。そういう状況が今後進んでいくであろうと思われるので、逆に当社のような単身者マンションの需要は上がっていくんじゃなかと思っています。さらに、当社の商品は都心の駅近ですから、そこに物件を持っていることは、お客さんの資産を守る意味でも大きなリスク回避になります。都心部の駅近はとにかく強みだと思っています。大切な事は正しい情報の中で正しい判断をする事だと思います。ベースとなる情報が間違えば間違った判断をしてしまう事になる。営業活動とはそういった事を一つ一つ確認していってもらう事だと思っています」
法令遵守について
「どこの業界でも同じだと思いますが、我々の業界もいろいろな会社がありまして、販売するがために本来やってはいけない手法を使うということが一部で行われ、宅建業法が改正されました。本来、各社または、業界全体が自己管理して、そういう問題が起こらないようにしなければいけないんですが、結果としてできないから国が規制とう形でルールを変えた。それはすごく恥ずかしいことだと思っていますので、我々は同業の中で組合を作り、コンプライアンスの範囲内でしっかり取り組むように、ライバル会社同士でしっかりと監視やチェックをしながら業界全体を良くしていこうという取り組みをしています」
これからの展開
「当社は投資用のマンションもありますが、ファミリー用のマンションもありますし、賃貸の部門、リフォームの部門、業者間取引をする流通部門もあります。そこをうまく統合して、トータル的にお客様をサポートできる体制を強化していきたいと思っています。「あなたの大切なもの大切にしたい」という企業理念を体現しながら、お客様に喜んで頂けるようなさまざまな環境整備をしています。そういった行為の中で会社が成長し発展する事が最大の顧客アフターだとも思っています。お客様のことを考えれば考えるほど、発展していくというビジネスモデルはやりがいもありますし非常に楽しく仕事をさせて頂いています」
投資用マンションを販売している同社で、オーナーとユーザーを結んでいるのが賃貸管理部。そこでは、どのような取り組みが行われているのか。川口部長が語る。
賃貸管理部の仕事
「私の部署はご購入頂いた物件をオーナー様よりお預かりし、賃貸管理する部署になります。主にオーナー様とサブリース契約を結び当社が貸主となって物件を管理しております。当社のお客様は全国各地にいらっしゃるのでご自身で管理できない、また賃貸業務は入居者とのやり取りに手間がかかり、何よりも空室によるオーナー様のリスクを無くすことができるなどからこの制度が喜ばれています。現在の稼働率は98%と高い稼動を維持しており、これは当社の物件が駅近が多いことや設備が充実している等入居者様のニーズにあった商品である事の現れかと思います。我々はこの稼働率を維持し、更に高めることを目標に日々の業務に励んでいます」
今後の商品ニーズ
「都心においては、晩婚化や高齢化を背景に単身者の住宅需要は伸びる公算が大きく、国立社会保障・人口問題研究所の試算では2010年に全体の31%だった単身者世帯の比率は、30年には37%に高まると出ています。これに対し、単身者向け新築物件の供給戸数は各自治体の建築規制等によりここ5年で3分の1に減少しています。これらから判断すると住環境改善を目的とした建築規制をクリアし、駅近で設備が充実した当社の物件はこれからのニーズに合った商品だと思います」
安心を提供する
「すべては、オーナー様からお預かりした物件の資産価値を落とさない、ということですね。我々の業務は、オーナー様の資産構築のお手伝いだと思っております。ほとんどのオーナー様はお借入をして物件を購入しております。完済されるまでの資産構築の期間、資産価値が落ちないように我々がしっかり管理する。退去時のリニューアルの際には新築に近い状態まで戻すことを心掛け、次に入居される方が気持ちよく生活できるようにすることなど、専門でやっているからこそ出来る事。それらを生かしてオーナー様に安心を提供する事が、私たちの大切な仕事かなと思っています」
29m2以下の部屋数と単身世帯数
東京都
29㎡以下.........1.257.100
単身世帯.........2.922.488
供給率.........43.0%
※約166万部屋 供給不足
※2011年首都圏新築供給部屋数約5500部屋
総務省統計局平成20年「住宅の延べ面積(6区分)、所有の関係(2区分)別住宅数」より総務省統計局「平成22年国勢調査」より