VTJ 1st 弘中、堀口が元UFC戦士を返り討ち

 24日、国立代々木競技場第2体育館で開催された『VTJ 1st (ブイ・ティー・ジェイ・ファースト)』で日本人vs海外勢の試合が3試合行われ、弘中邦佳、堀口恭司が勝利を収めた。マモルはダレル・モナヒューを最後まで攻めきれず1-2の判定で敗れた。
 現在、修斗世界ウェルター級王者の弘中は2006年から2008年までUFCで戦った実績を持つ。再度のUFC挑戦を目論む弘中にとって今年10月までUFCに参戦していたカーロ・プラターは自らの力をアピールする絶好の相手。
 試合は1Rはプラターが組み付いてから豪快な投げでテイクダウンを奪うなど、ケージでの戦いにブランクがある弘中を翻弄するが、2R以降は打撃、グラウンドとも弘中が制する場面が目立ち、3Rはサバ折りでテイクダウンするやバックをキープし、終了間際にスリーパーホールドの体勢に持ち込むものの、タイムアップ。一本勝ちこそならなかったが、3-0の判定で勝利を収めた。

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 修斗はもちろん、日本の総合格闘技の“超新星”といっても過言ではない堀口。堀口もUFCへのステップアップを狙う一人だが、初めてのケージで外国人選手と戦うのも初めてという、手探りの中での戦い。相手のイアン・ラブランドはこれまでのキャリアにおいて、16勝のうち8KOと6つの一本勝ちを持つ、アグレッシブで総合力に秀でたファイター。しかし堀口は2Rこそグラウンドでピンチを迎えたものの、持ち前の打撃で主導権を握る。ポーカーフェイスで堀口の打撃を受け流してきたラブランドだったが後半さすがに動きが止まり、3-0の判定で堀口が勝利を収めた。
 この日、唯一組まれた女子の試合が藤井恵vsV.V.Mei。藤井は日本の女子MMAの第一人者で日本人には負けなしの存在。Meiは国内の金網格闘技イベントVALKYRIEで王座を獲得したこともあり“金網女王”の異名を持つ。海外ではケージで戦うこともある藤井だが、ケージの使い方に一日の長があるMeiに翻弄される。高速タックルでテイクダウンするものの、Meiはケージを使って巧みに体を入れ替え、パワフルなパウンドを落としていく。スタンドの打撃でも互角以上に渡り合うMeiの前にダメージをためていった藤井だが、体勢を入れ替えられても冷静に下から関節技を決めにいくなど、しっかりポイントは押さえ、3-0の判定で辛勝した。
 藤井はリング上では「V選手、すごい強かったです」と語ったが、試合後の会見では思わぬ苦戦に「いつまでも私も若くはない。今までできたことができなくなっている」と振り返った。