大晦日DREAM.18で川尻が小見川を圧倒
大晦日恒例の格闘技イベント『DREAM.18 & GLORY 4 ~大晦日SPECIAL 2012~』が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された。
今回は総合格闘技のDREAMによる1部とキックボクシングのGLORYによる2部の2部構成で行われた。
1部のDREAMでは志願の第1試合出場の北岡悟がウィル・ブルックスに2R3分46秒、レフェリーストップによるTKO負け。北岡は下からの足関節を狙ったものの、ブルックスはカカト蹴りで脱出。北岡の動きが止まったところでバックマウントからパンチを連打。レフェリーが試合を止めた。桜井“マッハ”速人はフィル・バローニを足を止めての打ち合いの末、判定で破ったものの、DREAMフェザー級王者の高谷裕之が1-2の小差ながらジョージ・カラカニヤンに判定で敗れてしまう。
せっかく2013年以降の開催に光が見えてきたDREAMだったが、日本人の中心選手たちが結果を残せなくては、お先は真っ暗。そんな危機を救ったのが川尻達也だった。
この日唯一の日本人対決となった川尻vs小見川道大戦。昨秋にUFCをリリースされた小見川。UFC参戦前はDREAMで戦っていたとはいえ、元をただせば戦極で頭角を現した選手。そして元UFCファイターとあらば、国内の大会を盛り上げてきた川尻としては絶対に負けられない相手。戦前からピリピリとした空気が漂っていたが、試合が始まってみると川尻の力強さばかりが目に付いた。打撃の攻防からタックルでテイクダウンすると、持ち前の押さえ込みの強さで小見川を完全制圧。2、3Rの終盤には必殺の川ちゃん固め(肩固め)の体勢に持ち込み、あわや一本の場面も作ってみせた。
小見川は試合後の会見で「完敗です。あそこまで押さえ込みが…強いとは思っていたんですが、尋常じゃない強さだった…」と絶句。川尻は「チャンスがあったのに一本を取れなかった。俺は持ってない人間」と勝利を収めながらも浮かない表情を見せた。しかし一夜明け会見では「DREAM、ONE FC、ベラトールの王者を全部倒して三冠統一チャンピオンになりたい」と気持ちを切り替え力強く宣言した。
ONE FCとGLORYの提携により参戦が実現した青木真也は元UFCファイターのアントニオ・マッキーと対戦。2R早々に放った青木の右フックで左目を負傷したマッキーが戦意喪失。青木が背後からパンチを連打するとギブアップ。2R24秒、青木のKO勝ちが宣せられた。青木は試合後のリングで「僕とDREAMで親子ゲンカがあって、見苦しいところお見せしました。でも……俺、一生懸命やってるからさ、みんな応援してよ。ありがとうございました」と日本のファンにメッセージを送った。
青木と同じくONEFCからの参戦となったビビアーノ・フェルナンデスは、現DEEPバンタム級王者の前田吉朗と対戦。かつてパンクラスのベルトも持っていた前田はDREAMでフェザー級とバンタム級のベルトを巻いたビビアーノに対し、タイトルはかかっていないものの「心の3冠統一戦」と必勝態勢で臨んだが、ビビアーノの下からの三角絞めで失神。1R1分46秒で一本負けを喫した。