「ダンスドリルウィンターカップ2013」で蕨高校バトン部が総合優勝
ダンスドリルウィンターカップ2013(国立代々木競技場 第二体育館)が12日開催され、埼玉県立蕨高等学校バトン部が総合優勝した。
ダンスドリルとはダンス(踊り)をドリル(反復練習する)ことであり、この運動の発祥はアメリカで青少年を更生させるために設けられた教育プログラムにある。あきらめず反復練習することに意義を持ち、結果として心身ともに成長することができるダンスドリルは、24年度より中学校学習指導要領でダンスが必修領域に含まれた動きにも相まって、日本で今いっそうの盛り上がりを見せている。つまりダンスドリルというのは一つのダンス種目の名前ではなく、ダンス活動の一つの総称。それにならいダンスドリルウィンターカップ2013にもチア、JAZZ、HIPHOPなどさまざまな部門が存在する。ジャンルが多様化し個人の嗜好に合ったダンスと関わることができる現在、ダンスに親しみ、深く関わる中高生は多い。
この日の大会は「2012年度ミスダンスドリル・インターナショナル・ジャパン」が主催の全国5カ所で行われた秋季大会の成績をもとに選抜されたチームによって競われた。
その高校の部である第4回全国高等学校ダンスドリル冬季大会団体総合第1位に輝いた蕨高等学校バトン部の天野穂なみキャプテン(2年)は表彰式後「みんなホントなんか今までなかったぐらいにチームひとつになったのでこの総合優勝が取れたと思います。支えてくださったコーチの方やお母さん方に感謝します。3月のUSA大会に向けてこれから頑張ります」と心境を語った。
最終学年になればもうすぐ引退となる残り少ない部活動期間をドリルし続ける彼女たちの成果は3月ダンスドリル発祥の地で披露される。
ソングリーダー(組体操の無いチアダンス)を披露する彼女たち、そのステージの右端に2つの椅子がある。椅子には彼女たちと同じ衣装を着てポンポンを同じように振り続ける少女が座っている。足に怪我を負った2人の少女が他の選手と同じなのは、衣装とそのアームモーションだけではない。表情の演技までも一緒なのだ。ソングリーダーにおいてアピールポイントとなるメリハリある表情はそれだけでインパクトがある。アームモーションはあるものの座ったままの少女たちの表情がコロコロと変わるさまは、横で団体演技をしている選手たちの動きと対照され際立つ。動かない下半身と変化がやまない上半身。そのコントラストは少女たちが溌剌とした表情を見せれば見せるほど強調されていった。
演技終了後、西田芽生(2年)は「自分はアームだけになってしまうんですけど全員で27人で気持ちを一つにまとめて頑張ろうと思い今日ここに来ました。演技が終わった後は全員で踊り切ったっていう気持ちでいっぱいですごいうれしかったです」、近藤未菜(1年)は「フロアの中で一緒にアームだけでも踊らせてもらえることを考えたらうれしくて自分が今できることを精一杯しようと頑張りました。踊っているときはすごい緊張したんですけどみんな27人でやってきたことを思い出しながら踊ったら楽しくて幸せだなと思いました」と語った。(文と写真・野口卓也)