COVER INTERVIEW チョン・ウソン
『私の頭の中の消しゴム』で女子を感涙させ、『グッド・バッド・ウィアード』でアクション好きの男子をうならせる。相対するどちらのジャンルでも一流の存在感を示す俳優、チョン・ウソン。そんな彼の最新主演ドラマ『パダムパダム〜彼と彼女の心拍音〜』がいよいよ地上波放送決定。日本のファンのためにドラマの舞台裏から最新情報までを語ってくれました!
チョン・ウソンが“珠玉の恋愛ドラマ”の主演を務めると聞き、意外に思ったファンもいるかもしれない。ところが本作、切なくも温かいラブストーリーを軸にしながらも、人生を見つめるヒューマンドラマ、えん罪を背負わされた男の復讐劇、そしてちょっぴりファンタジーも入り交じるという“規格外”のドラマなのだ。主人公ヤン・ガンチル役にチョン・ウソン、ヒロイン・ジナ役に『イ・サン』のハン・ジミン。演出は『IRIS [アイリス]』を手掛けたキム・ギュテ、脚本は『彼らが生きる世界』のノ・ヒギョンという豪華な顔合わせが実現した話題作でもある。ところが、実はチョン・ウソンの配役は想定外だったという。
「実は僕に、この役をどうかというオファーが来ていたわけじゃないんです。仕事仲間のところに送られてきていた脚本をたまたま読ませてもらったのがきっかけだったんです。以前からノ・ヒギョンさんの脚本を読んでみたいと思っていたので、いい機会だと思い、自分が演じる可能性をまったく考えずに読み始めたんですけど、読んでいくうちに、どんどん続きが気になっちゃって(笑)。3話目まで読んで“もうこれはやるしかない”って思ったんです(笑)」
彼が演じるガンチルは、えん罪で16年服役した過去を持つ男。一見、粗暴で無教養な“単細胞”だ。
「監督はガンチル役の候補に、僕をまったく想定してなかったそうです。僕は主に映画を中心に活動しているし、『ATHENA-アテナ-』をやった後に続けてドラマをやるとは思わなかったみたいで。何より“チョン・ウソンがガンチル?”という疑問も大きかったようです」
ところがロケ地・統営で行われた最初の読み合わせで、スタッフたちの疑問は氷解。
「監督もノ・ヒギョンさんも“もし自分たちの思い描いているガンチルじゃなかったらどうしよう”と、すごく心配だったそうで、その対策案まで用意していたとか(笑)。でも読み合わせでガンチルになった僕を見て、自分たちのイメージしたガンチルそのものだと驚いたそうです」
彼が演じたことによって、粗暴さの陰に不器用なけなげさが、無教養さの陰に頼もしいストリートワイズが、直情的な言動の陰に裏表のない一途さがにじむ、奥行きのあるキャラクターとなっている。
「一見イメージが合わないと思われがちですが、僕自身もガンチルに共感する部分は多いんですよ。真実を明らかにしようという意志や、信じれば闇のような世の中も変えていくことができるという前向きな信念にも共感します。ガンチルを演じながら、これまで意識していなかった自分の中の思いに気づかされることも多々ありました。ただ、セリフの量が多かったのが大変でしたけどね(笑)。これまで演じてきた役のなかで一番よくしゃべるんじゃないかな。ガンチルは思ったことを全部、口にしますからね(笑)。あと、長いセリフも多いのでダラダラしないようリズムをつけて表現するというテクニックも必要でした」
そんなガンチルを取り巻く人々の人間関係も見どころだ。
「ガンチルの刑務所仲間グ・クスは自分をガンチルの“守護天使”だと言っていて、ガンチルもクスにだけは押し殺していた苦悩や不安を打ち明ける。神父さんやお坊さんのように心を許せる相手なんです。ガンチルとお母さんの関係も重要な要素です。本当は、ガンチルはお母さんのすべてを背負ってあげたいと思っているのに、自分の至らなさのせいで感情的な言葉をぶつけてしまう。ただそれが、愛情の再確認にもなっていると思うんです。親子でも本当の気持ちを伝えられずかえって溝が深まることも多いけど、彼らは思いをすべてぶつけあえる強い絆で結ばれていると思いますね」
今回、初の父親役を演じているのも気になるところ。
「一応、父親なんですけど、ガンチルと息子のジョンは親子というより人生の中で出会った大切な友人のような関係なんですよね。ガンチルはまだ父親の心構えもできてなかったし、父親とはどういうものかもよく分かってない。それでも、ジョンがつらい人生を送ってきたことを知って頼れる存在として彼のそばに寄り添いたいと願うんです。僕自身、あんな父親になりたいと思いました。そんな願いが、ガンチルに描写されたのかしれません」
そしてガンチルとジナのラブストーリーに女性ファンが“パダムパダム=ドキンドキン”すること必至。
「ジナはガンチルの傷すべてを癒してくれる存在ですね。ガンチルを温かく抱きしめて心の傷を癒すだけでなく、生きることの素晴らしさを教え、希望を持たせてくれる。演じるハン・ジミンさんはもう見た目そのまま、優しくて品行方正というか、きっと素敵なご家庭に育ったんだろうな、という感じの方ですね」
ガンチルとジナのシーンは名場面ばかり。お気に入りのキスシーンは?と尋ねると「キスシーンはよく覚えてないなあ(笑)」と、はぐらかしつつ「どちらかというと、抱き合うシーンのほうが印象的なんです。ガンチルがジナを抱きかかえているんだけど、ガンチルからしたらジナに抱きしめられているような、温かい気持ちになるというか。特に印象に残っているのは、日の出を見に行こうと言って、そのままでいいからと彼女を毛布にくるんで連れ出し毛布ごと抱きしめながら日の出を見るシーン。日常で、そんなことしないですよね(笑)」
人生のどん底で“3つの奇跡”をもたらされたガンチルは、困惑しながらも“今”を懸命に生きていく。
「ガンチルを通して“1日の価値”に気付いて、毎日が楽しくなったんですよ。なにも特別なことをしよう、ということではないんです。ただ当たり前の1日、それ自体が特別なことなんだと実感するようになったんですよね。あと、普段僕はそんなに口数が多いほうじゃなくて、会話するときも相手を気遣って言葉を控えることも多かったんですけど、ときにはガンチルのように思っていることをオープンに伝えることも大事だなと、思うようになりました」
そんな彼の気持ちをファンが直接受け止めることができる“バースデーイベント”を4月にソウルで開催。
「ファンと会うときはいつもドキドキしてます。皆さんの前に立つと、緊張もあるんですけど、アドレナリンが出て高揚するというか(笑)。ファンというより、久しぶりに会った友達、という感覚なんです。皆さんに自分を見せに行くのではなく、自分が皆さんに会いに行くという感じですね。もう今から気持ちが高ぶってますよ(笑)」
今年、40歳“不惑”の年を迎える。
「今やっと演技のことや世の中のことが分かってきたかな、という程度ですよ。ようやく大人になって、まさに今から人に自分を見せていける、というところです(笑)」
その笑顔に、迷いの影は無い。俳優、チョン・ウソンはこれからもファンをドキドキさせ続ける。
(本紙・秋吉布由子)
チョン・ウソンが選ぶ撮影裏エピソード
その1.チョン・ウソン、1日泣き続ける
「丸一日、泣くシーンばかり撮影していた日があったんです。1日泣くなんて経験したことないので、あれはかなり辛かったですね(笑)」
その2.一歩間違えば心臓が止まる!?
「ガンチルとパク検事が水辺で争うシーン。台本にケンカをしながら水中に転げ込むと書いてあったんですが、撮影当日はすごい寒さで水が凍っていたんです(笑)。監督は“場所を変えようか”と言ってくれたんですけど、結局スタッフが氷を割って、そこで撮影しました」
その3.スタッフに最終話をプレゼント!
「今回、放送1週間前にはもう最終話を撮り終わっていたので、映画館を借りてスタッフたちに最終話をプレゼント上映したんです。スクリーンで最終話を見て、みんなすごく喜んでくれました」
ドラマ
『パダムパダム〜彼と彼女の心拍音〜』
殺人の寃罪で16年ぶりに出所した男と、過去のトラウマから愛を信じられなくなった獣医の女性との恋を描くラブファンタジー。偶然に巡り合った2人の運命の行方は!? 16年前の殺人事件の真相とは!?
【スタッフ】演出:キム・ギュテ 脚本:ノ・ヒギョン【キャスト】チョン・ウソン、ハン・ジミン、キム・ボム 他【放送日時】毎週日曜深夜2時40分〜3時30分 【放送局】テレビ朝日
チョン・ウソンバースデーツアー2013 in korea開催決定!
【ツアー】4月13〜15日、13〜16日(2泊3日間/3泊4日間)
イベント開催日:4月14日
【ツアー申し込み・詳細】http://www.his-j.com/kanto/corp/group/event/jungwoohttp://www.his-j.com/kanto/corp/group/event/jungwoo
sung/
【チョン・ウソン オフィシャルファンサイト】http://www.jungwoosung.jp/http://www.jungwoosung.jp/