腕利き宣伝マンが猛プッシュ コレよ、コレ! 鈴木康成さん

今どき貴重なエロ漫画!?

 先日、編集部に『イかれポンチ』というコミックス送られてきた。
「僕が『サーカス』という月刊総合誌の編集長をやっているときに連載していた作品なんです」
 というのはこの本の編集者の鈴木康成さん。鈴木さんはKKベストセラーズの名物編集者だ。
「作者の田中圭一さんは手塚治虫の漫画をパロディーにして作った『神罰』という本が大ヒットした漫画家さんで、下ネタのパロディー漫画をずーっと描いている人なんです」
 頭の部分を読んだときは、そこそこエロで面白いと思って、鈴木さんにお電話しました。でも読み進めるとエロ度が増してきまして、今、鈴木さんとお話していることを後悔しています。
「でも当時、漫画の入稿って校了の最後のほうの
精神的にも肉体的にもきつい時期なんですが、これを読むと疲れが取れたというか、悩みを抱えていても笑ってすませられるようになったというか、そんな心温まる漫画です」
 確かに…。
「多分こんな内容の本は最近の出版事情だと出せないと思うんです。漫画誌ですらこういうエロネタは扱いにくくなっているところで、唯一サーカスが扱えちゃって、なおかつ単行本まで出ちゃったというのはかなり貴重だと思いますよ。西原理恵子さんも絶賛してくれてますし」
 な、なるほど…。
「あとこんな本も出してます。こちらは、“語れ!”シリーズの一冊で今回はタツノコプロ誕生50周年を記念した永久保存版になってます。製作者の方々のモノづくりの情熱とか工夫といった、仕事の原点のようなものが書かれてます」
ギャップの激しい2冊ですね。

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『イかれポンチ』【作者】田中圭一【発行】ベストセラーズ【価格】900円(税込)