全柔連 今度は活動助成金不正受給疑惑浮上

 全日本柔道連盟(全柔連)の複数の理事が、指導者としての活動実態がないにもかかわらず、日本スポーツ振興センターからトップ選手の強化に伴う活動助成金を受け取っていた疑いが浮上し、現職理事(55)が22日、指導していないのに助成金を受け取っていたことを認めた。この理事は責任を取って助成金全額を返還した。25日には全柔連がこの理事の辞表が届いたことを明らかにした。

 全柔連の上村春樹会長は「強化活動を行っていただいているものと思っていた。活動実態がなく助成を受けているとなれば問題だ」と話した。この助成金をめぐっては対象指導者から強化委員会が受給額の一部を徴収し、内部留保金として積み立てて、海外遠征での懇親会費などに充てていた問題が発覚。上村会長は「留保金問題も合わせて第三者委員会に調査してもらいたい」と話した。

 この問題で内閣府の公益認定等委員会がJSCなどに対し、事実関係の確認を求めたことが25日、分かった。内閣府に設置された同委員会は公益法人の認定を行う組織で、立ち入り検査なども実施する。JSC関係者は「認可取り消しまでなるか不明だが、組織ぐるみなら厳しい対応もあるだろう」と話した。JSCは26日には、調査結果が出るまで全柔連に対し、2013年度の助成金の手続きを停止する方針を明らかにした。また過去3年間について柔道以外の競技でも不正受給がなかったかを調べる。助成金は「選手・指導者スポーツ活動助成」事業で、2012年度は柔道も含めて34団体が利用している。