二十歳の視点 vol.8
犬のオアシス「ドッグラン」入門

 4月13〜14日、代々木公園で、同公園ドッグランサポーターズクラブ主催「わんわんカーニバル2013」が行われた。この2日間とも天気に恵まれ、まさにお出かけ日和。可愛らしく着飾った犬たちが、春の到来を告げるかのように、ミズミズしい「鼻」を咲かせていた。

 イベントは、犬が鍛え抜かれた芸を繰り広げる「芸−わん!グランプリ」、2分間の「おすわり・待て」に挑戦する「ザ☆スーパーシット」、無料でプロカメラマンが撮影してくれるコーナーなど内容が盛りだくさん。犬を連れて食事が楽しめる「ドッグカフェ」には「富士宮やきそば」「ちばドック」など、ご当地フードの出店もあり、犬だけでなく飼い主も十分楽しんでいる様子だった。

 会場にはペットの専門学校に通う学生ボランティアの姿も。ステージでは、イベント制作会社のディレクターが学生ディレクターと共に、どれだけ「待て」ができるか競う「マテ王選手権」などのイベントを仕切っていた。

 また、同じような学生の取り組みとして、犬の「社会化」をトレーニングするブースもあった。「社会化」とは、対人・対モノ・日常生活を営む社会に対して、日ごろから慣れ親しむ「ふれあい」を持つという意味の言葉のようだ。犬は小さいころから、そうした「ふれあい」がないと、攻撃的な性格になってしまうらしい。「犬社会のエチケット」といった感じか。

 専門学校で「社会化」の訓練を受けた犬たちは、老人ホームなどでリハビリの手伝いなどにも一役買っている。動物の癒しには誰しも顔がほころんでしまうもの。傘を開くだけで怖がってしまったり、車イスを警戒してしまったりしないように、日々トレーニングしているという。

 このイベントの収益は、代々木公園のドッグランに還元されている部分もある。去年は過去3年間分をまとめて、水飲み場の設置にあて、都に寄付したという。運営には、こうした地域の方たちの献身的な活動が背景にあるようだ。

 都立公園のうち、ドッグランを設置しているのは、代々木公園を始め、駒沢オリンピック公園、小金井公園など11カ所に上る。ドッグランができる以前は、特に大型犬の場合、リードを外してのびのびと運動できる機会は少なかった。犬としても走り回ることができるところが増えて、きっとうれしいはず。よりよく利用するためにも「社会化」は大事なスキルとなっているという。

 ドッグラン設置公園のうち、舎人公園・水元公園・木場公園にはバーベキュー場もある。食品・道具が全部揃ったオールインワンのパックもあり、手ぶらで行って楽しめるプランなども充実。事前予約制(各公園によって事前予約可能期間は異なる)だが、公園の楽しみ方も多様化している感がある。

 飼い主と犬の「win−win」の関係というよりは、思わず犬も幸せのあまり、声を上げるような「wan−wan(ワンワン)」のほうを第一に考えるのが主流のようだ。百聞は一犬にしかず。ぜひゴールデンウイークは愛犬と楽しいひとときを!

(本紙インターン・川合健悟)