江戸瓦版的落語案内
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。まずは、寄席や噺の中で使われるさまざまな用語を解説する「らくごのいろは編」。
【い】色物(いろもの)
寄席で行われる落語、講談以外の演芸。またそれをする人。漫談、手品、音曲、曲芸、紙切り、太神楽、コントなど。
落語や講談以外の演目を黒文字ではなくはなしで出ます、色文字(赤)で書くことに由来。
【ろ】ろくろ首(ろくろくび)/噺解説
おかみさんが欲しい与太郎におじさんから縁談話が。さるお屋敷のお嬢さんが婿養子を探しているという。聞けば二十のその娘、たいそう美人だとか。喜ぶ与太郎。だがそのお嬢さん、丑三つ時になると首がすーっと伸び行灯の油をペロペロ舐めるという奇病があるという。寝ていればわからないと、婿に行った与太郎だが、婚礼の夜にお嬢さんの首が伸びるのを目撃してしまう。慌てておじさんの家に逃げ込み「お袋のところへ帰る」と与太郎。「バカなことを言うな。お袋さんはいい便りが聞けるのを首を長くして待っているんだ」と言うおじさんに与太郎、「大変だ。家にも帰れない」
【は】破礼噺(ばればなし)
破礼(卑猥なこと、淫らなこと)を題材にしていることから、ちょっとエッチな噺。下ネタを含んだエロ噺のこと。
【に】二番太鼓(にばんだいこ)
寄席の開演5分前に前座が打つ太鼓。「お多福来い、来い」と聞こえるように打つ。ちなみに、開演30分前に打つのが一番太鼓。こちらはお客さんがたくさん来ることを願い「どんと来い、どんと来い」と打つ。また、寄席が終演する(はねる)時打つのが、追い出し太鼓、またはハネ太鼓。最初は「出てけ、出てけ」と打ち、客がいろいろな方角に散らばると「テンテンバラバラ、テンテンバラバラ」、そして観客がいなくなると「カラ、カラ、カラ」と縁を打つ。
【ほ】幇間(ほうかん・たいこもち)
酒席で芸をしたり盛り上げたりする男芸者。よいしょをして機嫌をとることも。