5・3有明『GLORY 8』REPORT
久保が65キロ級世界トーナメント制す
『GLORY 8 TOKYO −65kg SLAM』が3日、東京・有明コロシアムで開催された。
GLORYはK−1が活動停止した今では世界最大規模の立ち技格闘技の団体。昨年の大晦日には、K−1からの人気ファイターに未知の強豪も加えたラインアップで『DREAM.18 & GLORY 4』をさいたまスーパーアリーナで開催した。
この日は65キロ級の世界トーナメントが開催され、決勝では久保優太vs野杁正明の日本人同士の対戦が実現。3R判定で久保が優勝した。
組み合わせ抽選会でお互いに「決勝での対戦」を誓い合った2人。その約束は実現したものの、試合は思わぬ展開を見せた。
1R終了間際、久保が放った左バックスピンキックが野杁の下腹部をとらえてしまう。1回戦のリアム・ハリソン戦でもローブローを受けている野杁は2R開始のゴングが鳴っても立ち上がれない。結局10分以上も試合は中断された。
ずれたファールカップを装着し直し、戦線に戻った野杁だが、やはり本来の動きは取り戻せない。一方、久保は前蹴り、ヒザ蹴りで野杁のボディーを容赦なく攻め立てる。2Rを制したのは久保。しかしこの時点でポイント差はわずか。3R、逆転を狙い前に出る野杁だが、距離が詰まってしまい、クリンチが目立つ展開に。残り1分で両者に注意が与えられ、再び対峙した瞬間、久保が左、右、左の3連打。2発目まではガードした野杁だったが3発目を顔面に食らい、痛恨のダウン。立ち上がり最後のラッシュをかける野杁だが、非情のゴング。判定で久保が世界王者に輝いた。
試合後、久保は「ローブローが入ったにも関わらず立って試合を続行してくれた野杁選手に感謝します」と語った。1R終了時点で5人のジャッジのうち3人が10−9で野杁を支持しており、試合続行不可能となっていれば野杁の勝利となっていたからだ。
野杁は2011年の『K-1 WORLD MAX 2011 −63kg Japan Tournament FINAL』準決勝に続き、久保に2連敗。「もし次やる機会があれば必ずリベンジしたいですし、次は絶対負けないと思うんで、またチャンスを手に入れたいです」と語った。