三上博史「恐ろしさをジワジワと味わっている」

20130612b.JPG
 三上博史主演の連続ドラマ『震える牛』(WOWOW、16日スタート)の完成披露試写会が12日、都内で行われ、三上ほか、吹石一恵、小林薫の主要キャストが登壇した。安全性など食品が抱える問題に着目したドラマで、三上は「スポンサーありきでは実現できないドラマ」であり、ドラマの制作班には「モノづくりの純粋性」があると、熱弁した。

 相場英雄による同名の小説を原作に、BSE、食品偽装、大企業の隠ぺいなどに切り込む社会派ヒューマン・サスペンス。三上演じる刑事・田川が、ある強盗殺人事件を追っていくなかで、食品加工会社に行き着く。この役を演じるにあたって、「芝居が立たないように心掛けた」そうで、それによって「田川に乗って見ていただけると楽しいと思う」と、PRした。
 
 徹底的な役作りで知られるが、「役作りについてよく聞かれるんですが、作っても作れるもんじゃない」とし、「ただ、撮影期間前に自分の好きなものを封じていきます。朝飲むコーヒーを紅茶やお茶にするとか。自分や自分の趣味や主張を外していって、空っぽで台本を何度も読んでいくと、役が近づいてきてくれるというか、自分が近づいていくような......」と、「独自のメソッド」についても語った。

 三上演じる刑事、そして吹石演じる真相を追う記者が立ち向かうのが、小林演じる食品加工会社の経営企画部長。小林は「立場や事情が違ったら、そうなんだろうなって思いました。僕が東電の社員だったら隠す方に回るだろうし、賄賂もらえる側に立っていたらもらうだろうし......そういうことをひしひしと感じさせる役でした。僕も会社を守るために隠ぺいするとことは隠ぺいする人間だと思います」と話し、会場を沸かせた。

 ストーリーに関連し、食について心がけていることについて問うと、三上は「(食の安全性については)恐ろしさをジワジワと味わっている。僕も当初は厳選したものをと思っていましたが、追い付かない。もう、それに打ち勝つ体を作るしかないなとは思っています」。吹石は「楽しく食べる」、小林も「好きなものを食べるようにしている」と、話した。

 16日スタート。WOWOWプライムで、毎週日曜午後10時から放送。全5回。第1話は無料放送。