小池百合子のMOTTAINAI

ねじれ国会解消。総理や閣僚にはもっと海外で活躍してもらいましょう。

 参議院選挙も終わり、6年間にわたって続いた「ねじれ国会」がようやく解消されました。

 産経新聞による最新の世論調査では、「ねじれ国会」が解消されて「よかった」と答えた人が7割に上っています。

 この6年間に総理がのべ7人、防衛大臣は私を含め11人、法務大臣に至っては14人交代しました。少子化対策担当大臣も14人と、子供よりも大臣が多産となる笑えない状況が続いたものです。特に民主党政権における大臣の大量生産は目も当てられないものでした。

 役所としても、毎年どころか、半年ごとに大臣が代わっていては、就任時の「ご説明」をしたかと思うと、また新しい大臣を迎えてと、腰を据えた政策立案と実施などできようもありません。

 儀礼の多い防衛省など、栄誉礼ばかりで、さぞかしうんざりしたことでしょう。内なる対策に追われる度に、日本は近隣諸国に挑戦するチャンスを与えていたわけです。各国も、新大臣の品定めをしたかと思うと、また新たな大臣だと、呆れたのではないでしょうか。

 さあ、ここからが本格的な巻き返しです。政治の安定確保により、まずはアベノミクスの加速で、経済再生を優先します。各種世論調査でも、アベノミクスを支持するが、多くの人がまだ「実感はない」と答えます。

 すでに各種の経済指標はアベノミクスの効果を数値で示していますが、一人ひとりの財布が温まるにはタイムラグが生じるものです。それでも、一日も早く実感していただけるように、アベノミクスの徹底を進めます。

 さて、憲法第63条には閣僚の議院出席の権利と義務が記されています。ねじれ国会では、野党が審議の条件に総理や閣僚の出席を求めます。たしかに国会の審議は何よりも優先すべきことですが、外務大臣など、国際会議で日本の立場を主張したり、各国との交渉にあたることの多い閣僚にとっては、国会という株主総会ばかりに出ていては、肝心の営業活動ができなくなってしまいます。

 ねじれ国会が解消した今、なすべきことは天皇陛下の認証官である副大臣をもっと活用することです。大臣に代わって国会答弁にあたる。国際情勢が激動するなか、総理にもより海外での活動に力を入れてもらえる環境整備こそ急がねばなりません。

 国民体育大会よりも、国際政治のオリンピックでこそ、総理や閣僚には活躍してもらおうではありませんか。

(衆議院議員/自民党広報本部長)