KENCHI×青柳翔　Special Interview この作品は「日本の魂」だ！

　KENCHIは2009年、12年に続き今回で3回目、青柳は09年に出演し今回2回目の出演となる。同作品の魅力とは？
KENCHI「自分は現代に生きていますが、この作品を演じていると先人の方々の思いに寄り添う事ができ、日本人としての誇りを意識することができる気がします」
青柳「演出家の樫田さんの叔父さんの手帳の内容をもとに作られた作品ですので、実在した人もいますし、とてもリアリティーがあります。その中で当時の若者の青春が描かれているところですね」

　最初に演じた時の印象も同じ？
K「最初に出演させていただいた時は、役者としてスタートを切った時だったので、自分の事で精いっぱいでした。でも今回はこの作品の持つメッセージ性をいかに多くに人に伝えていくかを意識しています」
青「僕も同じですね。デビュー作品でしたし、正直右も左も分からないでやっていたところもあって…。でも月日が経って、以前とは別の役ですが、今この作品をやらせていただくことになり、前作品を超えないといけないと思っています」

　今回KENCHIと青柳はダブルキャストで同じ寺内中尉という人物を演じる。
青「ライバル心はあります！と言ってもいい意味で。緊張感を持って双方高めあえたら。今回演じさせていただく寺内中尉はとことん負けず嫌いですが、自分なりに大きな志があって、その中に優しさもある人物です」
K「青柳とは以前共演した事があるので、ライバルというより同じ役を演じるのは楽しみです。舞台上では全員が主役なので、自分が主役という意識はあまりないのですが、“あたっく”経験者として、常に魂を込めて芝居に臨んで、座組を盛り上げていけたらと思っています」

　A、B両チームには、三代目 J Soul Brothersや劇団EXILEのメンバーも多数出演。
青「劇団EXILEメンバーとは、約4年ぶりの共演となるのですが、その間にメンバーが増えたり、個人活動をして個々で実力をつけたりしているので、今回この作品で共演できるのは楽しみです」
K「初日の本読みの時点で、また新たな“あたっく”ができそうだという予感がありました。稽古は大変ですが、みんなで楽しみながらやれているので、いい空気感が本番に影響するんじゃないかと思います」

　作・演出の樫田氏の稽古は、本番同様精根尽き果てると評判だ。
K「僕たちは樫田塾と呼ばせていただいてますが、芝居をするにあたり、魂の部分をすごく求められるので、稽古が終わるたびにグッタリです。でもそこから、本番の舞台でのエネルギーが生まれると思うので、毎日もがきながら、芝居を追求しています。日々、青春です（笑）」
青「僕はデビューして今まで、色々な現場を経験させていただいておりますが、樫田さんは自分が気がつかない、眠っている部分を引き出してくれる人です。それは素直に発見して、受け入れています」
　終戦記念日に近い時期に戦時中の話を演じる意味について思うこと。
青「実在していた方はもちろん、これまで戦争で亡くなられた方々に、失礼のないように、誠意を持って演じたい」
K「僕も戦争を体験していない世代ですが、表現者としてこの作品に関わらせていただき、その当時の方たちの気持ちを感じることで、今の自分を見つめ直すきっかけになりました。その気持ちを忘れず、戦争について改めて考えたいですね」

　2人がこの舞台を通して伝えたい思い。
K「自分が現代に生きている意味を改めて考えさせられる作品なので、しっかりと説得力が出るように取り組みたいと思っています。戦争を体験した方、戦争をまったく知らない子どもたちに見てほしいですし、それ以外の方にも戦争について少しでも興味を持って考えていただけるきっかけになればうれしいです」
青「この作品は何度も再演されていますが、その度に見てくださるお客さんもいるほど、素晴らしい作品です。今回はAチームとBチームのダブルキャストになっていて、お互いまったく違う芝居になると思いますがどちらを見ていただいても、楽しめますので、多くの人に見ていただきたいですね。この夏、青山劇場を一番暑い夏にします！」
（本紙・水野陽子）