世界陸上 女子マラソンで福士が銅メダル
陸上の第14回世界選手権(世界陸上)が10〜18日の日程でモスクワで開催された。
第2日(11日)に行われた男子100メートル決勝で、ウサイン・ボルトが9秒77の今季自己最高をマークし、2大会ぶり2度目の優勝を果たした。決勝前に突然雷が鳴り、強い雨に見舞われるというあいにくのコンディションだったが、タイソン・ゲイ、パウエルというライバル不在の中では実力が一枚も二枚も違った。
日本勢は桐生祥秀が10秒31、山県亮太はわずか0秒01差の10秒21でともに予選落ちした。
初日に行われた女子マラソンでは、福士加代子が2時間27分45秒で銅メダルを獲得した。過去4回挑戦したマラソンでは芳しい成績は残せていなかった。「トラックの女王」と称されるものの、これまで世界大会ではトラック種目でも入賞はなし。福士にとっては自身初のメダル獲得だった。
ケニアのエドナ・キプラガトが2時間25分44秒で2連覇を達成。日本勢は木崎良子が4位に入賞したものの、2004年アテネ五輪金メダルの野口みずきは軽い熱中症で33キロ付近で途中棄権した。
女子1万メートル(第2日・11日)では新谷仁美が30分56秒70の自己新で5位に入賞した。しかし残り500メートルまで先頭だったものの、立て続けにエチオピアとケニア勢に抜かれた末の5着に「メダルを取らなければこの世界に必要ない気がする。きれいごと抜きで、結果出した者勝ちだと思うので、まだ“あまちゃん”だったのかとラスト1周で思い知らされました」と涙を流した。
第3日(12日)に行われた男子ハンマー投げでは室伏広治は6位で2連覇はならなかった。1投目で今季ベストの78メートル03をマークしたものの、表彰台ラインの80メートルを越えることはできなかった。38歳という年齢から来る衰えは当然ある。疲労回復のスピードも若いころのようにはいかないだろう。そんな現状も踏まえながらも室伏は「よく体を休めながらやっていきたい。できるだけ長く頑張りたい」と現役続行を宣言した。
第4日(13日)には女子棒高跳びの決勝が行われ、地元ロシアのエレーナ・イシンバエワが今季自己最高となる4メートル89で3大会ぶり3度目の優勝を果たした。長く女子棒高跳びの女王に君臨してきたが、世界大会での優勝は2008年の北京五輪以来となる。
今大会は現役引退を示唆する発言で注目を集めたが、改めて引退は否定。2016年のリオデジャネイロ五輪を目指す考えも示唆した。