VTJ 3rd 藤井惠が引退試合で”最強のライバル”ジェシカと対戦
ケージで行われる総合格闘技(MMA)大会『VTJ 3rd』が10月5日、東京・大田区総合体育館で開催される。
今大会では“秒殺女王”と呼ばれ、日本の女子総合格闘技界を牽引してきた藤井惠が引退試合に挑む。
その注目の相手はジェシカ・アギラー。
藤井のMMA人生の中で記録したたった2つの黒星のひとつを献上した相手であり、現在の女子MMA界でNo.1といえる存在だ。藤井とは2012年の「Bellator 69」で対戦。ジャッジ3人ともが28−29という紙一重の判定ながら0−3でジェシカが勝利を収めている。
「最後まで世界一を目指す戦いをしたい」という藤井がVTJ参戦にあたり、主催者に出したリクエストは「負けた選手との雪辱戦」だった。
ジェシカも藤井の引退試合とあって、「メグミの最後は私しかいない」とオファーを受諾。この対戦が実現した。
果たして藤井は「世界一」の称号を持って引退できるのか、それともジェシカが引導を渡すのか。感傷と緊張の交錯する戦いとなる。
所英男はVTJにより復活したといっても過言ではないだろう。「HERO’S」「DREAM」といったメジャーイベントで活躍した所だが、それらのイベントの開催が不確定な状態となり、戦うリングを失っていた。しかしVTJ 1stのメーンで修斗のカリスマ・佐藤ルミナと対戦。秒殺KO勝利でケージという新たな輝ける場所を見つけた所はVTJ 2ndでもテイラー・マコーストンからヒールホールドで一本勝ち。VTJの顔ともいえる存在となった。今回の相手ウィル・カンプザーノはUFC参戦経験のあるストライカーで、現在はテキサスの新興団体LFCでフライ級王座に就く強豪。36歳にして「まだファイターとして伸びている」と言う所も今では海外での戦いを目標に置くだけに、サバイバルマッチの側面もある。
UFCにも参戦経験のある日本の総合格闘技のレジェンド・宇野薫もVTJで復活を果たした一人。VTJ 2ndでアンソニー・アヴィラから一本勝ちを収め、会場を歓喜の渦に。今回はVTJ 2ndでDREAM王者・高谷裕之に圧勝したダニエル・ロメロと対戦する。
所、宇野ともに一発でKOする力を持つ選手との戦い。一瞬たりとも目の離せない緊張感のある試合となる。
修斗の第5代、第8代世界ライト級王者のリオン武がVTJ1st以来の参戦。当時は61.2kgと階級を落としての戦いだったが、今回はベストウェイトの65.8kgに戻しての参戦で初勝利を狙う。対するは現修斗環太平洋ライト級王者の矢地祐介。矢地は8月にグアムで開催された「PXC38」に参戦し、初のKO負けを喫した。同じKRAZY BEE所属の堀口恭司に一歩先を行かれている感のある矢地にとっては伝説の王者ともいえるリオンを倒して、再スタートを切りたいところ。一方リオンはここで負けることは、世代交代を印象付けることになり、伝説の王者から過去の王者へとフェードアウトしかねない。今後のフェザー級戦線を占う一戦ともなっている。