スペシャル対談 伊藤達也(衆議院議員) × 一木広治(ヘッドライン社長)

日本を元気に! JAPAN MOVE UP 連動企画

「日本を元気に」を合言葉に、さまざまなイベントやメディアで、情報発信や活動を行っているJAPAN MOVE UP。今回は、衆議院議員の伊藤達也氏に、政治家という立場から、日本を元気にする取り組みなどについて話を聞く。

一木「伊藤さんはこれまで内閣府特命担当大臣(金融担当)、衆議院財務金融委員長、内閣総理大臣補佐官(社会保障担当)などを歴任した金融のスペシャリストで、現在は中小企業政策の責任者ということですが、アベノミクスについてはどうお考えですか」

伊藤「アベノミクスの効果が中小企業に浸透することが重要です。そのために私たちは中小企業版の成長戦略を策定し、総理に提言しました。政府は私たちの提言をしっかり受け止めて、経済政策や成長戦略の中で、中小企業政策を重要な柱として位置付けています。デフレに沈む厳しい経済環境の中で、中小企業や小規模事業者の方々は、本当に頑張ってこられました。企業規模は小さくても、大企業に負けない優れた理念や確かな信条を持ち、また新たな分野に挑戦する気概があります。その力を最大限に引き出していかなければ、日本経済を再生し、成長のための新たなエネルギーをつくり出していくことはできません。中小企業経営の志に応えることができる政治をしっかりやって行きたいと思います」

一木「具体的には?」

伊藤「まず、政策決定の仕組みを変えます。政府の産業競争力会議には、中小企業者は参加していません。そこで、地域のブロックごとに地方産業競争力協議会を設置し、地域を代表する中小企業経営者や関係者が参加して、地域の特色を生かした成長戦略を策定していきます。またこの協議会を活用して、省庁の縦割りの弊害を克服し、県域を超えた広域的な産業政策をスピード感を持って実行していきます。さらに、中小企業政策が分かりにくく、複雑では意味がありません。現場目線で使い勝手のいい政策にすべく、申請書類の簡素化や利用者のコストを意識した手続きに是正していきます。そして、現場の実情やニーズにあった政策を充実していきます。たとえば、事業仕分けにあったものづくり補助金を強化・拡充することによって、全国1万社の中小企業の新たな事業への挑戦が採択されました。このように、限られた予算にメリハリをつけて、中小企業、小規模事業者の新たな挑戦を応援していきます」

一木「なるほど。ほかに若者の創業支援プロジェクトもやっていますよね」

伊藤「はい。若い人たちのビジネスプランを応援していこうということで、協議会をやり、その中で優秀なビジネスプランについては、経産大臣賞を出すということをやっています。また、大学生だけではなく、高校生のビジネスプランを応援する仕組みとして、こちらも政府系の金融機関とコンテストを主催しています。高校生の時代からニュービジネスやベンチャーを身近に感じてもらうことで、若いころから起業家の精神を身につけてほしいということですね」

一木「ところで、2020年のオリンピックが東京に決まりましたが」

伊藤「日本人のマインドを変えましたよね。子供たちが夢や希望を感じていますし、大人も7年後はどうなっているんだろうと、オリンピックとの関わりも含めて自分たちの人生の中で、新たな目標を持たれた方も多いと思いますよ。今年は東京で国体も開催されましたし、そこがゴールではなく、その先にオリンピックがあるということで、スポーツの素晴らしさをずっと感じていけるんじゃないでしょうか」

一木「最後にヘッドラインの読者に向けて、メッセージをお願いします」

伊藤「東京で生活されている方が日本の元気を引きだし、新しいライフスタイルや、これからの日本のあり方を体現しているキーを握っていると思いますので、皆さんの気持ちや生活感覚、将来の課題や夢、希望といったものをしっかりとらえて、それを後押しする政策に取り組んでいきたいと思っています。ぜひ、皆さんにも積極的に政治に参加してもらい、政治を変えていく大きな原動力になってほしい。自分たちが参加すれば政治は変わるんだ、よりいい国を作ることができるんだという思いで、政治を考えていただければと思います」

伊藤達也(いとう・たつや)
衆議院議員(6期)。関西学院大学院教授。1961年生まれ(52歳)
慶大法・松下政経塾出身。通商産業政務次官・内閣府副大臣・金融担当大臣・内閣総理大臣補佐官などの要職を歴任。現在は自由民主党中小企業・小規模事業者政策調査会長として中小企業の支援に尽力している。