第三者委が最終報告 統一球問題「コミッショナーに責任」
プロ野球で使用する統一球を公表せずに飛びやすく変更していた問題で、事実関係などを調査する第三者委員会(那須弘平委員長)は9月27日、都内で12球団の代表者に最終報告を行い、加藤良三コミッショナーについて「混乱を招いた責任を免れることは許されない」と指摘。問題の背景は「誰が真の業務執行の責任者であるか判然としない」とし、日本野球機構(NPB)などの組織体制の見直しやコミッショナー制度の強化などを提言した。
報告書では、加藤コミッショナーの関与について「客観的な証拠は発見されていない」としながらも「注意を払えば変更の事実を容易に知ることができたのは明らか」とした。また、12球団で組織する実行委員会やオーナー会議に関しても「統一球の変更について、事務局に丸投げに近い形で『一任』した」「実質的な議論が行われた形跡が見受けられない」などと落ち度を挙げた。
最終報告を受け、12球団は30日、東京都内で臨時理事会を開き、10月2日の臨時オーナー会議で、第三者委員会に詳しい説明を求めることで一致。その2日の臨時オーナー会議では最終報告に対し、細かい疑問点があるとして追加調査を要望することを決定した。
NPBは2011年からそれまで12球団がそれぞれメーカーと契約していた球をより低反発な球に統一した。だが今季は過去2年に比べて本塁打数が増加。6月に日本プロ野球選手会の追及を受け、飛びやすく変更していたことを認めた。NPBでは追加調査を行ったうえで、再度提出される報告書を公式ホームページで公開する予定という。