江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
新しい羽織を作った熊五郎、それが着たくて初天神にお参りに行くことに。かみさんが、せがれの金坊も連れて行ってくれるように頼むと、熊さん「あれを買ってくれ、これを買ってくれ」とうるさいから嫌だと断る。そんなやり取りをしているうちに、金坊が帰ってきて、羽織を着ている熊さんを見て、初天神に行こうとしていることを察知。口八丁手八丁で「絶対に何かを買ってくれとねだらない」という約束で、まんまと初天神に連れて行ってもらうことに。
しばらく歩き屋台が見えてくると金坊が「今日はあれ買って、これ買ってって言わなかったでしょ。だからご褒美に飴買って」とついにおねだり。あの手この手でごねまくり、とうとう飴を買ってもらう。しばらく歩くと水たまりがあったので、金坊の背中をたたいて注意すると、「叩かれたはずみで飴を落とした」と大騒ぎ。よくよく聞けば、腹の中に落としたと言い、全然飴を味わえなかったので、今度は「団子を買って」と訴え、熊さんはしぶしぶ団子を買うことに。蜜は垂らして着物を汚すので、あんこにしろと言っても、蜜がいいというので、まずは熊さんが蜜のついた団子を受け取り、垂れそうな蜜をペロリ。少しのはずが、蜜を全部舐めてしまい、ただの真っ白な団子になってしまった。それじゃ嫌だと騒ぐ金坊に「ちょっとまってろ」と言って、団子屋を引っ掛け、舐め回した団子を蜜の瓶にジャボンとつけ、団子屋を怒らせる。
またしばらく行くと今度は凧が売っている屋台を見て案の定「凧を買っておくれよ」と大騒ぎ。「だから連れて来たくなかったんだ」そう言っても後の祭り。またまた根負けした熊さん、「一番小さい凧をくれ!」。しかし、そこは大人顔負けのこずるい金坊のこと、凧屋を味方につけて、まんまと、一番大きい看板の凧を買ってもらうことに成功し、大喜び。まずは熊さんが、見本を見せると凧をあげ出すと、これが思いのほかおもしろい。「あたいの凧だよ。やらせてくれよ」と金坊が言っても「うるせい。子どものやるもんじゃないから、あっちへ行ってろ」と取り合わない。金坊、泣きながら「こんなことなら、おとっつあんを連れて来るんじゃなかった」