修斗 神酒龍一が世界バンタム級王座獲得

 プロフェッショナル修斗の公式戦が9日、東京・後楽園ホールで開催された。メーンでは世界バンタム級チャンピオン決定戦が行われ、神酒龍一が飛猿☆№2を5R3-0の判定で破り、悲願だった世界のベルトを腰に巻いた。
 この一戦は7月27日に行われた決定戦の再戦。そのときは5Rをフルに戦い1-1のドローに終わり、タイトルはコミッション預かりとなっていた。
 前回の対戦では1Rから飛猿がタックルからのテイクダウンでグラウンドを有利に進め主導権を握ったが、今回は神酒がほとんどテイクダウンを許さず、激しい打撃戦が展開された。1Rこそ飛猿の左フックでフラッシュダウンを喫した神酒だったが、2R以降はプレッシャーをかけ続け、左右のパンチで飛猿に大きなダメージを与えた。飛猿のタックルにもしっかり対応し、テイクダウンを許してもすぐに立ち上がり、主導権を渡さなかった。
 試合は判定となったが3人のジャッジがともに49-46をつけ、神酒が完勝。
 念願のベルトを巻いた神酒は「1人の人間と10Rも戦うなんて…長かったです。修斗のベルトをようやく手にしました。でもこれで終わりではないんです。これは自分を応援してくれたみんなのお陰で取れたベルト。このベルトを守るためにもっと強くなります」と力強く宣言した。

 この日のセミでは世界フライ級4位のオニボウズに2012年の同級新人王で、現在デビュー以来、無敗の5連勝中の内藤のび太が挑むというフライ級注目の一戦が行われた。
 オニボウズはこのクラス屈指のハードパンチャー。ここ3試合で正城ユウキ、猿丸ジュンジとランカー同士の戦いで黒星を喫してしまったが、まだまだ上位グループの一人だ。
 一方の内藤は、見ての通りドラえもんののび太をモデルとした弱々しいビジュアルとキャラを持つ。入場時も同門のジャイアン貴裕に脅されながらの入場ときっちりのび太キャラを演じながらも、リングに上がれば表情も一転。立ってよし寝てよしのオールラウンダーとしてのそ強さを見せつける。ここ2戦はATCHアナーキー、ヒートたけしといった元世界ランカーを立て続けに破りこの日の対戦にこぎつけた。
 試合はオニボウズの打撃を内藤がどう攻略するかが焦点だったが、内藤は打撃からしつこいほどのタックルでオニボウズをグラウンドに引きずり込み終始ペースを握る。3R終了間際には肩固めにとらえ、あわやの場面を演出するなど3-0の判定で完勝した。
 この試合の前に、フライ級世界王者の山上幹臣がリングにあがりベルトを返上。それに伴い、年明け1月13日の後楽園大会で室伏シンヤ vs 猿丸ジュンジによる世界フライ級王座決定戦が行われるのだが、この日の勝利で、内藤は同級のキーマンに浮上した。
 試合後は内藤に代わってジャイアンが「1月にフライ級王座決定戦があるということで、どちらでもいいです。勝った方は最初の挑戦者はのび太でお願いします」とアピール。果たして、のび太の世界挑戦は実現するのか…。
 ちなみに「(タイトルマッチは)なしでも大丈夫です」と弱気の発言の内藤は「うるせえ!」とジャイアンに一喝されリングを去っていった。