2014年に気になる人インタビュー TAO
昨年公開されたヒュー・ジャックマン主演作映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で、ヒュー演じる主人公と恋に落ちるヒロインを演じ、映画界でも一躍注目を集めた国際派モデル・TAOが、いよいよ日本でも女優デビュー!
昨年、ハリウッドでの女優デビューという大きな一歩を踏んだTAO。
「はっきり女優をやりたいと意識したのは『ウルヴァリン—』のオーディションがきっかけなんです。ジェームズ・マンゴールド監督から“伸びしろがある”と言われ、その気になってしまって(笑)。撮影も楽しくて、終わってほしくないと思うほどでした」
いつしか次は母国で演じたいと思うようになったと語る。そんな彼女が挑むのが『震える牛』の原作者・相場英雄の警察小説を映像化したドラマ『血の轍』。主人公の刑事に谷原章介、対立する公安役に原田泰造。他、高嶋政伸、釈由美子ら豪華キャストが揃う。
「私が、こんな方々の中に混ぜてもらうなんて本当に恐縮していたんですけど、皆さんとても優しくフォローしてくださるんです。“ハリウッドから女優デビュー”なんて生意気に思われたりするんじゃないだろうかなんて思ったりしたんですけど、実際にはそんな方は誰もいなくて(笑)。1人の女優として扱ってくださって本当にありがたかったです」
『ウルヴァリン—』で日本人キャスト全員に通訳がいなかったことを話したらスタッフに驚かれたとか。もともと彼女は14歳で東京のモデルエージェンシーに所属した後、海外に拠点を移し世界の一流ブラントと仕事をしてきたトップモデル。
「海外のファッション雑誌だと、“ファッションストーリー”といって物語的に続くページがあって、設定の人物になりきって撮影するんですけど、私はそれがすごく好きだったんですよ。自分じゃない誰かに変身するというのが面白くて。それが演技に通じていたのかな、と今になってみると思いますね」
女優・TAOとして日本での第一歩となる本作では、有能でクールな女性捜査官役・坂上陶子を演じる。
「原作ではハッキングのスキルを持った少しオタクっぽい男性だったんですが、ドラマでは機械には強いけれど人と交わることが苦手な女性捜査官になっています。自分を唯一理解してくれた上司の死をきっかけに、クールな陶子が恩人の敵を討つという熱い思いを抱いて谷原さん演じる兎沢刑事とともに、原田さん演じる志水たち公安に挑むことになります」
ある事件を巡り刑事と公安それぞれの思惑が渦巻くなか、違う道を歩んだ2人の男の葛藤が描かれる。
「普段の皆さんはすごく気さくで優しいんですよ。谷原さんは、私の中で“王子様”的なイメージがあったんですが、お会いしたら面倒見の良いアニキ、という感じでした。すごく男らしい方で、それが今回、兎沢という役にも生かされているのではと思います。原田さんは、役の上ではほとんど絡みがないので、完成作で拝見するのがすごく楽しみなんです。もともと私、原田さんの大ファンで(笑)。高嶋さんは、本当に面白い方です。ときどきなぜか流暢な英語で話しかけてくださるんです(笑)。英語だと敬語がないので私も緊張せずに話せるから、そこを気遣って頂いているのかも」
今年も大きなフィールドを見据える。
「ありがたいことに2本ほど海外で作品の撮影があるので、確実にレベルアップするように頑張ろうと思っています」
モデルとして女優として、日本・海外によらず活動したい、とTAO。
「海外でも、モデルと女優どちらも第一線でやっている人はまずいないので、それなら自分がそこを目指してみたいという思いはあります。あと個人的にはしっかり旅行がしたいんです。仕事でたくさんの国に行くんですが、もっとちゃんと自分の身になる“世界の見方”をしたいと思って。演技の幅を広げるのにも役立つかも…と言い訳をしながら旅行も楽しむつもりです(笑)」
今後、日本を代表する国際女優として活躍してくれるはず。その記念すべき“日本デビュー作”をお見逃しなく。
(本紙・秋吉布由子)