今日も食べ過ぎ東京グルメ探偵 Sycamore シカモア(上町)
おいしいものがあると聞けば、調査に行かずにはいられない「東京グルメ探偵」。メタボを気にしつつも食べ過ぎてしまうのがたまにキズ。さて、今日のタレコミは…?
行きつけのそば屋でいっぱいやって、シメにそばをサッとたぐり帰る。落語やドラマ、そして池波正太郎のエッセイなどから、そんな大人にあこがれていたあのころ…。通い続けたいと思うそば屋を求めて、最近発見したのが、2両編成の世田谷線上町駅すぐの蕎麦「Sycamore(シカモア)」。お店がきれいで店長とスタッフがイケメンということは重要だがここではさておき、なんと言っても基本のそばがうまい!に尽きる店だ。若いそば職人たちと交流をもち、情報交換をしながら、季節ごとに産地を厳選したそば粉を、毎日店内で挽き作る十割そばは、そばの香りとなめらかでツルツルなのどごしが素晴らしい。そばって素敵! 日本に生まれて良かったとしみじみ思う。
そしてもうひとつ、いやふたつ大事なのが、酒とつまみ。これが大人のそばの楽しみ方には重要なのだ。この日は、週に3回、魚の目利きと築地に行って仕入れるという「〆鯖の炙り」をまずいただく。〆過ぎず、でも生っぽくもなく、サクッとした歯ごたえを感じたあとに、鯖の旨み脂がじんわり舌先に残る、絶妙な味加減。幸せすぎてコワイ…。そこに全国各地の選りすぐりの日本酒をツツーッっと流し込む。思えば遠くへ来たもんだ…。いやいや、大人の階段を2段飛びで一気に駆け上がったのだな…としみじみ。そして気分を盛り上げてくれたのが、テーブルの上で炙りながら食べる「ほたるいか干し」。八代亜紀も“魚は炙ったイカでいい〜”と歌っているように、日本酒と(ほたる)イカは相性が抜群! 炙りすぎず、ほんとにサッと表面を火で数秒炙ったぐらいでいい。ほたるいかの風味がキュッと閉じ込められ、それが口の中で放たれた時、おいしさの洪水が押し寄せてくる。そしてそのタイミングで日本酒を飲めば完璧。そのほか、「真鯛白子と生海苔の和風グラタン」などたらふくいただき大満足。理想とするそば屋での振る舞いは、日本酒をちびちびのみながら、板わさに卵焼きなど軽くつまみ、せいろでシメたかったのだが、ここでしか味わえないメニューがたくさんあり、ついついあれもこれ食べてしまう。渋い大人になるのはまったくもって難しい。ちなみに、人気の「鴨南蛮」も上品なお出汁がコシのあるそばをまろやかに包み込み、温かなそばならではのやさしいおいしさ。全メニューを制覇したい、そして通いたい店に認定!
【住所】世田谷区世田谷3-3-1 COMS SETAGAYA B1
【TEL】03-6413-5653
【営業時間】17時30分〜翌1時
【定休日】月曜日・第一火曜日
【URL】www.soba-sycamore.jp