“修斗のカリスマ”佐藤ルミナが現役生活にピリオド
総合格闘技が現在のように認知されていなかった時代から、現在の礎を築いたのは間違いなく修斗だった。中でも“修斗のカリスマ”と称された佐藤ルミナの戦いには多くのファンがひかれていった。
その人気はリング内に留まらず、ファッションやカルチャーといった分野にも及び、幅広く格闘技の面白さを世間にアピールする。格闘家のTシャツにファンが行列を作り、そして街中で着こなすという、それまでは考えられなかったことが修斗とルミナの活躍によって実現した。
ルミナの戦いを見て総合格闘技を知り、ルミナにあこがれ格闘家になった選手も数知れない。日本の総合格闘技の底辺の拡充にも多大な貢献があった。
そんなルミナが「プロフェッショナル修斗 25周年記念大会」(5日、東京・後楽園ホール)で引退式を行った。
引退式にはルミナが修斗を学び、人生の師匠と慕う木口宣昭氏、対戦を希望していた中井祐樹氏、ともに“修斗四天王”といわれた桜井“マッハ”速人、エンセン井上、王座をかけて戦った五味隆典といった格闘技界からはもちろん、タレントの関根勤氏、作家の夢枕獏氏、ミュージシャンの若旦那(湘南乃風)、川畑要、TOSHI−LOW(BRAHMAN)など幅広いジャンルから多くの人々が駆け付け、ルミナのこれまでの功績を称え、そしてその引退を惜しんだ。
ともにブームを作り上げてきたマッハ、エンセン、五味がルミナに送辞を送る。中でも五味の「修斗のチャンピオンが世界で一番じゃなきゃいけないって言われたので、先輩に教えられた通りに今でもUFCで頑張ってます。ルミナさんが格闘技も音楽もファッションも全部教えてくれました。ずっと僕のあこがれです。お疲れさまでした」という言葉がルミナという存在を如実に表しているに違いない。
そして最後にルミナが「ここまで続けられたのは、応援してくださったみなさん、家族、練習仲間、そういったみなさんのおかげだと思っています。修斗はこれからもまだまだ続くものだと思います。今後とも修斗、そして佐藤ルミナをよろしくお願いします」と挨拶。10カウントゴングを受けてリングを降りた。