W杯をもっと楽しむために 自分ブラジル化計画 part.2
南米人は日本人の3倍肉を食べるというが、ブラジルでもやはり肉をよく食べる。ブラジル料理の代表格シュラスコが良い例だ。剣のようにも見える大きな串に肉を豪快に刺して焼き、食べる。お店では、焼きあがると串ごと運び、客の前でスライスしてサーブするエンターテインメント要素もあって、東京でも長きにわたって専門店が営業しているほど人気だ。
「塩、胡椒、そしてにんにく。味付けは至ってシンプルです。それを炭火の上でゆっくりと回転させながら焼いていきます。焼いているうちに肉の脂も落ちていくので、ヘルシーなんですよ」。そう話すのは、三軒茶屋の三角地帯にある「ブラジリアン食堂 BANCHO(バンチョー)1号店」の藤井さんだ。こだわりの炭火の上には、何本もの串がかけられ、それぞれゆっくり回転中。時おり、炭の上に落ちた脂がジュワッと音を立て、白い煙がもうもうとあがる。
シュラスコといっても、ビーフ、ポーク、チキン、それぞれさまざまな部位もあるから種類はバラエティーに富む。赤味を岩塩やガーリックソースで食べるステーキ、マリネした鶏のもも肉「フランゴ」、ガーリックソースにつけた豚バラ「ポルコ」、ブラジルのジューシーなソーセージ「リングイッサ」、さらにはパイナップルを焼いた「アバカシ」……。それぞれ、単品で注文することもできるが、こちらのお店ではおまかせの盛り合わせや食べ放題でいろいろな部位をいただくのがポピュラーなスタイルで、焼きあがった串が次々に運ばれてくる。離れた席で「わっ!」と華やいだ声が聞こえたらそれが次の串がやってくる合図だ。
一番人気を尋ねると、「やっぱり、ピッカーニャかな」。牛のお尻の先(ランプやイチボ)にあたる部分で、1頭から少ししか取れない希少な部位だ。スライスした断面から表れたきれいな赤色が、すでに満腹気味な胃を刺激。待ちきれずに口に運ぶと脂の甘さやお肉の味が口の中にぶわっと広がる。シュラスコならではの気持ち強めな塩味が肉そのものの味をしゃきっとさせているが、添えられたビネグレットソースを合わせると、酸味でさわやかな味わいになって、食が進む。
「ちゃんと下処理をして炭火でおいしく焼く、それだけなんです(笑)。そのシンプルさ、おおざっぱさがブラジル料理の魅力なんじゃないでしょうか」と、藤井さん。おいしさの手の内こそ教えてくれなかったが、それでもいいか。このおおざっぱさ、自分をブラジル化できちゃった?
炭火で焼くシュラスコが美味! ブラジリアン食堂 BANCHO 1号店
ブラジル料理の魅力を教えていただいたのは、三軒茶屋の三角地帯にお店を構える「ブラジリアン食堂 BANCHO 1号店」。炭火の上でぐるぐる回転しながら焼かれるシュラスコが大人気のお店だ。バー、居酒屋の雰囲気を持ち、気楽に楽しめるお店でファンも多数。近くに同2号店も。6日には渋谷の百軒店にも店舗がオープンした。
【住所】東京都世田谷区三軒茶屋2-13-9
【電話】050-5872-2593(予約専用)/ 03-5486-5488(問い合わせ専用)
【営業時間】17時〜翌1時(ラストオーダー24時)月曜定休
パルミットサラダ
パルミットはヤシの新芽。タケノコに似た食感。塩・胡椒、ビネガー、オイルで清涼感がたっぷり!
パステル
ブラジルで人気の揚げ物。プレーンでもいけるが、BANCHOでは具を入れて提供している。酒に合う塩加減。
カイピリーニャ
お酒・カシャーサに、ライム&砂糖を使ったブラジルを代表するカクテル。バーでは定番にもなっている。
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