サッカー日本代表新監督にアギーレ氏
日本サッカー協会は24日、次期日本代表監督としてメキシコ人のハビエル・アギーレ氏と合意したことを明らかにした。東京・文京区のJFAハウスで開かれた理事会の後の記者報告会で原博実専務理事が明らかにした。
原専務理事はコーチとしてスチュアート・ゲリング氏(イングランド)、フィジカルコーチとしてフアン・イリバレン・モラス氏(スペイン)、GKコーチとしてリカルド・ロペス・フェリペ氏(スペイン)が就任することも合わせて発表した。
また年代別代表との連係を密にしていくため、U−21(21歳以下)日本代表の手倉森誠監督が代表コーチも兼任する。
アギーレ氏は現役時、メキシコ代表として1986年のメキシコ・ワールドカップに出場。引退後はメキシコ1部リーグ、スペイン1部リーグで多くのクラブの監督を務め、メキシコ代表監督としても2002年、2010年と2度W杯で指揮を執っている。
原専務理事は今回の合意について「今回はうまく行った部類ですかね…」と交渉の過程を振り返った。アギーレ氏とは4年前にも接触し、交渉を持ったこともあることから手元に連絡先があり、仲介者を立てずに直接連絡して話を進めてきた。最終交渉を終えて帰国したのは24日の朝だった。
5月まで率いたスペイン1部リーグ・エスパニョールでは下位に沈んでいたチームを立て直した。過去にはチーム状態の悪かったサラゴサを残留させた実績もあり、原専務理事は「引き出しが多く、そこにいるメンバーをうまく生かすことが上手な監督なんだと思う。今の日本には一番ふさわしいのではないか」と高く評価。選手、監督と両方の立場でW杯に臨んだ経験も買い、ザッケローニ前監督時代に追求した前線からの積極的な守備から、速い切り替えで敵ゴールに迫る形以外の“幅”を期待した。
またこの発表に先立って、W杯ブラジル大会の検証結果も報告された。原専務理事は主にコンディション調整に不備があったことを認めた。試合会場から遠いイトゥをベースキャンプ地に選定した点についても、長時間の移動を強いられたことで、体調に影響があったと分析。そして「自分たちのサッカーをやろうというところと、相手にある程度合わせるところのバランスが崩れた」と攻撃的スタイルに固執した点も敗因に挙げた。