2015年、ゴーストライター役でキックオフ! 水川あさみ
新しいドラマの放送が始まるなかで13日には話題のドラマ『ゴーストライター』がスタートする。小説家とそのゴーストライター、2人の女性の生きざまを描くヒューマンサスペンスだ。ゴーストライターを演じる水川あさみにインタビューした。
水川あさみの2015年は刺激的なドラマ『ゴーストライター』(フジテレビ系、毎週火曜夜9時〜)でスタートする。水川は、小説家を夢見ながら、あこがれの作家のゴーストライターになってしまう女性を演じる。
「昨年はドラマを2本やらせていただいたんですが、コミカルなお芝居も多かったんです。真逆のものをやりたいなと思っていた時にちょうどこのお話をいただきました。小説家、ましてやゴーストライターなんて演じたことがないですし、描かれる人生のふり幅がすごいんです。早く演じたくなりました」
ドラマのタイトルを聞いて心がざわついた人は少なくないはず。2014年、この言葉が毎日躍り、その展開を日本中が好奇心たっぷりに見守った。
「どうしたって、あの事件と重ね合わせられちゃう部分があるでしょうね。このドラマで取り上げるのは小説なので世界観は違うけれど、ゴーストライターを使うことになってしまった身の上や心情など、何かしら通じるものはあるのかもしれないですね。どっちが正しいのか悪いのかって答えを出したり、何かを正当化したり、このドラマでもそういう見方があると思います。でもその奥にある、自分でも、どう抗ってもどうにもならない苦しみや悲しみ、葛藤など、心情の機微を表現できたらいいなって思っています。また女性同士だからこそ生まれる嫉妬や憎しみなど、いろんな角度から見て楽しんでもらえるドラマになったらうれしいですね」
「小説家とゴーストライター、また女と女の話でもあるんですけど、ドロドロした分かりやすいものにはしたくない」と、話す。ポイントは、「どうしてそうなったのか、どうしてそこに行き着いたのかっていうのを表現」することだ。
「私が演じる由樹は、明るくて素直で、すごく人間味のある女性なんです。ただ、小説を書きたい、小説家になりたいという夢がはっきりあって、自分の才能を多少なりとも信じていた時があるのに、どのコンクールに出してもいい結果が出なくて、ちょっとずつ自分の自信がなくなっていく……。私もお芝居をしたいって上京してきて、オーディションを受けても受けても全然ダメで、それでもやり続けるしかなかったっていう時期がありました。それと重なる部分もあるのかなと思います。役作りについては、ゴーストライターの方に話を聞くというのも難しいと思うので(笑)…想像です。私の想像で足りない場合には監督に話を聞いたり、みなさんと一緒にお芝居をしていけば(役は)できあがっていくのかなと思っています。何よりも橋部さんの脚本はセリフの一言一言やその行間が巧みで無駄がなくすごく面白いので、演じるのが楽しみです。台本って最終の決定稿になるまで、プロットというものがあったり、準備稿というものがあったり、どんどん密度が濃くなっていくんです。そのなかで、例えば同級生と話している口調が変わってるような、些細な変化も大きなヒントになるのかなと思います」
第1話では、小説家、そのゴーストライターの背景が語られるとともに、その後の2人の関係性も暗示される。
「本当に純粋な一人の女性というところから始まって、物語のふり幅がすごいっていうのを感じてもらえるような第1話です。人生はもちろん、感情やストーリーの流れもすごいと感じてもらえるんじゃないかなと思います。私自身、今後の展開がすごく気になります」
あこがれの人であり、そのゴーストライター、言いかえるならライバルともいえる複雑な関係になる小説家、リサを演じるのは中谷美紀だ。
「何にもぶれない強さのある中谷さんの前でお芝居をするのはある意味で恐怖だったりします。だけど、どれだけぶつかっても受け止めてくださるので、すごく楽しみなんです。実は私、中谷さんとは17歳の時に『R-17』っていうドラマで共演させてもらってるんです。中谷さんは先生で、私は恋愛や友達関係に悩む高校生。その役の悩みと自分が当時抱えていた悩みがリンクしてたこともあって、お芝居するのって楽しいって思えた作品なんですよ。自分のなかで節目になっていて、思い出にも残っているし忘れられない。そこから、10年以上が経ってまた共演させていただけるなんて、すごくうれしいです」
年末年始もこのドラマに費やした。「すごくいいスタートを切れる気がしている」と、笑顔を見せる。
「『ゴーストライター』から始まる1年。やりたいことを全部やる、そんな年にしたいなって思っています。特にこれっていうのはないんですけど、仕事であれプライベートであれ、忙しいからとか時間がないからってやらないんじゃなくて、やりたいと思うことすべてしたい。もちろん、本当は嫌だけど自分のためにやらなきゃいけないことも頑張りたいです。去年もいろいろやりましたけど、それよりももっとやりたいんです」
今年も水川あさみから目が離せない。
(本紙・酒井紫野)
天才小説家とそのゴーストライター、2人の女性の対決と友情を描くヒューマンサスペンス。天才小説家と称されるリサ(中谷美紀)は誰にも言えず苦悩していた。一方、小説家になることを夢見る由樹(水川あさみ)はコンテストに落ちまくりで、自信を失いつつあった。最後の挑戦と編集部に渾身の原稿を持ち込むと……。他出演は、文芸誌編集者に三浦翔平、菜々緒、リサの秘書にキムラ緑子ら。フジテレビ系で毎週火曜よる9時〜。13日スタート。初回は15分拡大放送。