強権上司・剛腕クライアントに苦しめられている人、必読
人気クイズ番組のプロデューサー神田達也。彼は民放テレビ局員ながらも芽が出ず、40歳過ぎて崖っぷちに立たされていた時に、「クイズ!ミステリースパイ」でヒットを飛ばし、名プロデューサーの仲間入りを果たした。売れっ子となり、公私ともに多忙を極めていたある日、帰宅をすると自宅リビングの壁に高校生の息子・和也が磔にされ、その側らに玉虫色のスカーフを巻いた謎の男が立っていた。そして、和也を人質に「The Name」というゲームをしようと挑んできた。謎の男は神田がもらったという名刺を6枚取り出し、5人の男女を招き入れ、持ち主に名刺を返すように指示。しかし、一度でも間違えば、和也の首に取り付けた爆弾のスイッチを押すと言う。しかも質問は1枚の名刺につき1回だけ。男が出してきた6枚の名刺に書かれた肩書きは、弁当屋経営、クイズ作家、制作会社ディレクター、タレント・マネジャー、高校教師、業態不明のCEO。名刺を見ても、顔を見てもまったく誰だか思い出せない神田は無事に名刺を返して、和也を救えるのか。なぜ、この見知らぬ男が名刺ゲーム「The Name」を挑んでくるのか。このゲームの裏には何があり、その目的は一体?
謎だらけの中、狂気のゲームがスタート。“独裁者”を自認する敏腕テレビプロデューサーの栄光と狂気と闇を、ゲームを進める謎の男が驚愕のエンディングへと導く。人気放送作家・鈴木おさむがTV業界の裏側を赤裸々に描き、権力を得たビジネスマンたちへ警鐘を鳴らす同書は、仕事で夢を叶えようとするすべてのサラリーマンへ贈る鮮烈のエンターテインメント小説だ。