「地方で生まれた小さな映画がちょっとだけ幸せを届けます」横山雄二
広島で生まれた映画『ラジオの恋』が、広島での大ヒット上映を経て、全国公開される。主演のラジオパーソナリティーには、カリスマ的人気を誇るRCC中国放送の現役アナウンサー横山雄二。
「自分の役ですからやりやすいところはたくさんありましたが、冒頭のシーンが難しかった。ラジオのブースでずっと喋るシーンだったんですけど、初めて人に与えられた台本を覚えつつ、自由に喋っている演技をしました。人気者という設定なので、あそこがつまらないとこの映画はダメだと思ったので、すごくやりにくかったですね」
出演者はアンガールズをはじめ広島県の人ばかり。しかも同県出身の矢沢永吉の楽曲も使用されている。
「監督が幻想的なシーンを矢沢さんの曲でやりますって言った時、多分使わせていただけないと思っていました。しかし実際はこうして全国公開する時にも、矢沢さんや事務所の方が快く楽曲を提供して下さり、とても感謝しています。自分の映画のエンディングで矢沢さんのライブ映像が流れる。一緒のフィルムに入っているなんて、夢のような気持ちです」
作品ではラジオにまつわる小さな奇跡が起きるが、実際に体験したことは?
「僕は広島に26年前就職で来ました。だから22歳でまわりに知り合いがゼロだった。家に帰っても話し相手もいないし、職場の仲間はいるけど、友達もゼロ。でも毎日ラジオをやっていると、リスナーの方が僕を家族のように感じてくださっているのが分かる。電波という見えないもので結ばれて、こうして広島で楽しく暮らしているのが奇跡みたいなものですね」
ラジオが映画になって全国に心温まる物語を発信中。
「原爆ドームが出ない、純粋な広島のエンターテインメント映画です。広島の綺麗な自然や元気な人たちの姿を見て、みなさんそれぞれの故郷を思い出していただける作品。地方から生まれた小さな映画ですが、見るとちょっとだけ幸せな気分になってもらえると信じています」