「10年間、毎日ノートに手書きで書きました」板尾創路
お笑い芸人としてだけではなく、俳優としても存在感を示す板尾創路の『板尾日記』が10周年目にして、最終巻となる。日記を公開してから10年、3652日に及ぶ自分自身の記録にひと区切りをつけた今の気持ちは。
「変な感じですけど、今年に入ってもう2カ月が過ぎましたので、書かないことに慣れてきました。振り返ればあっという間の10冊でした。個人的な日記を人に読んでいただくことを前提に書くので、最初はそれが書物として成立するのかとういう疑問がありました。芸人なので面白おかしく書かなければいけないのかなとも思いましたがそれだと日記ではなくなるので、その落としどころが難しかった。しかし、淡々と書くことを心がけたことで、それが段々といい形になって、結果、他にはない本に仕上がったと思います」
最初から10年続ける予定だったのか。
「それは全然ないです。エンターテインメント性もないですし、気が付いたら10巻まで出ていたというのが、正直な感想です。でも10年間の日記が本という形で残ったのは、僕の中ではすごく財産になったと思う。よく考えたら、僕が一番得してるんじゃないかな(笑)。その時どんな仕事をして、どんなことを考えていたのか、ちゃんと記録に残っているから。ところどころをかいつまんで読むことはありましたが、まだ最初から順番に読み返したことはありません。今は読まないほうが面白いかなと。1巻と10巻では自分も随分変わっていると思う。年も取っているし、性格も変わっている。仕事も周りの環境も変わっている。今はいろいろな事が変わっている最中だと思うので、もっとおじちゃんになってから読むと、面白いんじゃないかなと思っています」
おススメポイントは?
「自分の日記を読んで下さいっていうのも変な話ですが、板尾創路というちょっと変わった人の日記に出会ったなって思ってもらえればいい。10巻まであるので、人の家の本棚、図書館、古本屋、本屋の隅、いろんな所で見かけると思うので、出会った時にはちょっと手にとっていただければ。それで十分です(笑)」
【定価】1500円(税別)【発行】リトルモア