大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第32回 板東英二さんは太陽だ

 先日のことです。いつものように放送を終えてスタジオを出ると、板東英二さんがいらっしゃいました。板東さんは何度かゲストとして出演していただいていて、高倉健さんが亡くなったときにも急きょお願いして健さんとの思い出を伺ったこともあります。そういえば、ちょうどいたからと突然スタジオにやってきたりなんてこともありましたよね。こうなっちゃうと板東さん、もう完全なる『キキマス!』ファミリーです。

 さて、その板東さん。ご挨拶をさせていただいたとたん、出演交渉が始まりました。笑いながら「出してくれよう」って。番組でお話したときにも話題にしましたが、かねてから執筆されていた書籍『板東英二の生前葬』が完成して、つい先日発売になったそうです。「どこか出られないかなあ」なんて、ニコニコしながら畳み掛けるもんだから、こっちも笑っちゃってね。プロ野球の開幕も迫ってますし、どこかで出ていただけたらなあって思ってます。実現するといいなあ。

 そんなことを含めて、板東さんと立ち話をしていたら、次から次から人がやってきます。みんな、お話ししたいんですね。きっと。

 それで思い出したのが、板東さんと一緒に仕事したときのことです。実は、2人でパチンコホールに営業に行ったことがあるんです。パチンコホールのなかって、いろんな音が大きくてぎやかですし、そこにいる人、みんな一生懸命に台を見つめて打ってます。そこに営業に行ってもね、正直、聞いてもくれないですよ。そのなかで板東さん、一人ひとりに声をかけてくわけです。肩にちょっと手を置いて、どうだって感じで。それがすごくいい感じなんだよね。で、声をかけられた人もちゃんと反応するんだよね。場所が名古屋で、板東さんのお膝元的なところっていうのもあるんだろうけど、やっぱりそれは板東さんという人間なんだろうなあ。あったかいんだよね。お話ししたり、顔を見たり、一緒にいるだけで温かい気分になるし、楽しくなる。太陽みたいな人ですよ。

 以前、番組に出演していただいた際には、高倉健さんの映画にほんのちょっと出演することがあって、1日でも十分なのに、4日間拘束された話をしてくれました。それは実は板東さんと鍋を食べたかったからだったんじゃないかっていうね。最高のエピソードでした。

 最新刊にもいろんな人とのエピソードがいっぱいなんですよ。「このへん、人の話ばっかや!」って、板東さんは笑われてましたけど、板東さんだからこそそういう話がいっぱいあるんだろうって思います。やっぱり、太陽ですよ、板東さんは。

kikimasu.jpg大地洋輔との本格派漫才コンビ・ダイノジで活躍。個人でリポーターや司会、DJ活動なども行う。1972年生まれ。
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