ハリルホジッチ監督が初の代表メンバー選出 遠藤落選

 サッカー日本代表に就任したヴァイッド・ハリルホジッチ監督の初陣となる「キリンチャレンジカップ2015」チュニジア代表戦(27日、大分県・大分スポーツ公園総合競技場)と「JALチャレンジカップ2015」ウズベキスタン戦(31日、東京・東京スタジアム)の代表メンバーが19日、都内のJFAハウスで発表された。
 発表の折、監督は壇上から降り、スクリーンの脇に立ち、一人ひとりの名を読み上げ、ポジション別に解説を加えていく。その姿はさながらマイケル・サンデルの白熱教室のよう。
 選考は監督が「東京について間もないので簡単ではなかった」と言うように、タイトなスケジュールの中、行われた。そして6月のロシアワールドカップ1次予選へ向けても時間がないことから、長友、内田といったケガをしてプレーできない選手も「一緒にいて、彼らがどんな状態かを知るため、そして我々の目的も知ってほしい」ということで招集した。
 その31人のメンバーの他にも12人のバックアップメンバーが発表された。
 バックアップメンバーについては「国内組、海外組、いろんな選手に可能性があると思っている。このリストに入っていない選手も、準備をしていてくれというメッセージ。前にも言ったが良いプレーをしていれば呼びます。スター選手に変わる選手も期待していますし、そういった選手がスター選手に変わっても私にとっては全く問題ない。一番の勝利はグループで勝つこと」と選手間での競争を促す目的のよう。
 初選出はガンバ大阪の藤春のみだったが、バックアップメンバーには広島の千葉、川崎の車屋などフレッシュな顔ぶれが並んだ。
 またガンバ大阪で昨年のJリーグ制覇の原動力となり、代表復帰が期待されていた宇佐美が2011年6月以来の招集。名古屋の永井も久しぶりに選出された。
 その一方で長く日本代表を支えてきた遠藤保仁(ガンバ大阪)は選に漏れた。監督は遠藤については「ロシアのW杯の準備のための選出」としたうえで「ここ数年日本代表に貢献してくれた彼のことを忘れてはいけません。日本代表に貢献してくれた彼に対し敬意を表することをここに付け加えたい」と話した。
 しかし会見の後半、質疑応答の折には「ものすごく大事な試合で遠藤が必要な場合は呼びたい。多くの経験があるし、仲間に対する信頼が強く、自分の役割も知っている」とも語っており、今後の選出にも含みを持たせた。また大久保嘉人(川崎)についても「ここ2年、リーグで得点王を取っていますが、もしある試合で彼が必要ならもちろん呼びます」と語った。
 監督は来日会見以来何度も「日本代表は全選手に開かれている。そのときにベストなパフォーマンスの選手を呼びたい」と語っており、試合を重ねていくなかで、遠藤、大久保といったベテランたちの力が必要となるケースがやってくるかもしれない。

〈日本代表メンバー〉
GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
権田修一(FC東京)
DF
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
太田宏介(FC東京)
内田篤人(FCシャルケ04)
吉田麻也(サウサンプトン)
藤春廣輝(ガンバ大阪)
酒井宏樹(ハノーファー96)
酒井高徳(VfBシュツットガルト)
昌子源(鹿島アントラーズ)
MF
今野泰幸(ガンバ大阪)
長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
青山敏弘(サンフレッチェ広島)
香川真司(ボルシア・ドルトムント)
清武弘嗣(ハノーファー96)
山口蛍(セレッソ大阪)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)
FW
岡崎慎司(1.FSVマインツ05)
本田圭佑(ACミラン)
興梠慎三(浦和レッズ)
小林悠(川崎フロンターレ)
乾貴士(アイントラハト・フランクフルト)
永井謙佑(名古屋グランパス)
大迫勇也(1.FCケルン)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
武藤嘉紀(FC東京)

〈バックアップメンバー〉
【GK】
林彰洋(サガン鳥栖)
【DF】
塩谷司(サンフレッチェ広島)
鈴木大輔(柏レイソル)
千葉和彦(サンフレッチェ広島)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
【MF】
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
米本拓司(FC東京)
大森晃太郎(ガンバ大阪)
高萩洋次郎(ウェスタン・シドニー)
【FW】
柿谷曜一朗(FCバーゼル1893)
川又堅碁(名古屋グランパス)
豊田陽平(サガン鳥栖)