中島弘貴がKrush -70kg級の新王者に

 立ち技格闘技「Krush.53」が12日、東京・後楽園ホールで行われた。メインイベントの「第3代Krush -70kg級王座決定戦」では、中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット)が山崎陽一(シルバーウルフ)を判定で下し念願のベルトを手にした。
 昨年8月に城戸康裕がタイトルを返上したことで、Krush -70kg級王座決定トーナメントが開催。山崎は1月に準決勝でベテランの山内佑太郎をKOで破り、中島は元同門の松倉信太郎に判定で勝利し、決勝進出を決めた
 1R、序盤はお互いパンチで牽制しあっていたが終盤、中島の飛び蹴りで山崎がコーナーに追い込まれ、あわやダウンという場面も。2Rは、決定打を与えない撃ち合いを続けながら、中島のローがたびたびヒット。山崎にプレッシャーを与えていた。3Rではお互いKOで決めるつもりの気迫の撃ち合いが序盤から繰り広げられた。大歓声に包まれた会場だが、山崎の重いボディーへのパンチ、中島の鋭いローキックの音が聞こえるほど。しかし、中島が山崎の顔面に飛び膝蹴りを繰り出すなど、変化のある攻撃を続け、パンチで応戦する山崎をかわし試合が終了。判定の結果、3-0で中島が勝利し、タイトルを獲得した。
 試合後のインタビューで中島は「応援してくれた人、一緒に練習をしてくれた人のおかげでようやくチャンピオンになれた。山崎選手は強いし、以前負けているのでリベンジできて良かった。昨年の4月に城戸選手に負けてから2~3カ月練習をしないというは時期があったが、自分には格闘技しかないと思い続けてきて良かった」と語った。さらに「7月にK-1 70kgのトーナメントがあると聞いたので出場したい」とK-1参戦を熱望した。
 また、判定が下った瞬間その場に崩れ落ちた山崎は「ダメですね…。応援してくれた人に申し訳ない」と絞り出すようにコメント。「倒してやろうとムキになりすぎた。(中島選手は)運動能力が高く、(パンチは)当たっているけど、微妙にずれていた」と試合を振り返り悔しさをにじませた。しかし今後について聞かれると「-70kg級のベルトは取りに行く。あきらめないです」と明言。2人の熾烈な争いはまだまだ続きそうだ。
 また、セミファイナルの「-55kg Fight」では匠(チームドラゴン)と堀尾竜司(TRY HARD GYM)が対戦。両者譲らず延長戦に突入。判定1-2で堀尾竜司が大激闘を制した。